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日本政策金融公庫に「融資は厳しい…」と言われた時に知っておきたい他の選択肢

こんにちは、フリーランスの経営アドバイザー兼ライターの佐藤真由美です。

「日本政策金融公庫に相談したけど、『今回は厳しいですね…』と言われてしまった」

このような声を、中小企業の経営者や個人事業主の方から頻繁に耳にします。

私は銀行で10年間融資審査担当として働き、その後コンサルティング会社でキャッシュフロー戦略の立案や資金調達のサポートに携わってきました。

その経験から言えるのは、日本政策金融公庫(日本公庫)での融資が難しいと言われても、資金調達の道はまだ閉ざされたわけではないということです。

本記事では、日本公庫で融資が難しいと言われた際に考えられる理由と、その状況を打開するための具体的な選択肢を詳しく解説します。

銀行をはじめとする民間金融機関への再チャレンジから、補助金・助成金、クラウドファンディング、ファクタリングまで、幅広い資金調達方法を紹介していきます。

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目次

「融資が厳しい」と言われる理由を知る

日本公庫から融資を断られるショックは大きいものです。

しかし、その理由を正確に理解することが、次の一手を打つための第一歩になります。

日本政策金融公庫の審査基準概要

日本公庫は政府系金融機関として、民間金融機関とは少し異なる審査基準で融資判断を行っています。

私が銀行時代に審査を担当していた経験から言えば、日本公庫の審査の特徴は以下のポイントにあります。

  • 自己資金の要件:創業資金総額の10%以上の自己資金が一応の目安とされています。
  • 事業計画の現実性:売上予測や収支見込みに根拠があり、説得力のある計画かどうかが重視されます。
  • 信用情報の状況:個人や法人代表者の信用情報(返済履歴や延滞状況など)が厳しくチェックされます。
  • 納税状況の確認:政府系金融機関として、税金の滞納には非常に厳格な姿勢を持っています。
  • 業界経験や知識:開業予定の事業や業種における経験や専門知識があるかも評価されます。

審査の際には、以下のような書類が特に重視されます。

  1. 創業計画書(事業計画書)
  2. 資金計画書・収支計画書
  3. 個人の信用情報(CICなど)
  4. 納税証明書
  5. 決算書(既存事業者の場合)

これらの書類を通じて、「返済能力があるか」「事業に継続性があるか」を判断しているのです。

断られる(または条件が厳しくなる)主な要因

日本公庫での融資が「厳しい」と言われる背景には、いくつかの典型的な要因があります。

私がコンサルティング時代に見てきた事例から、主な理由を挙げてみます。

日本公庫融資が断られる5つの主な要因

① 自己資金の不足

公式には自己資金1割でOKとされていましたが、現実には希望融資額に対して自己資金の割合が低すぎると審査は厳しくなります。

実務上は、自己資金が総事業資金の3分の1程度ないと希望額の融資は難しいケースも多いのです。

② 信用情報に問題がある

下記のような信用情報上の問題があると、ほぼ確実に審査は通りません。

  • クレジットカードやローンの支払い遅延が複数回ある
  • 過去に61日以上の延滞がある
  • 債務整理や自己破産の履歴がある

③ 税金・公共料金の滞納

政府系金融機関である日本公庫にとって、税金の滞納は「融資を断る大きな理由」となります。

電気・水道などの公共料金の滞納も「資金繰り悪化の兆候」と判断され、マイナス評価につながります。

④ 事業計画の不備・説得力不足

計画の内容が杜撰だったり、売上予測が希望的観測に基づいていたりすると「実現性が低い」と判断されます。

特に創業融資では、計画書の出来が合否を左右すると言っても過言ではありません。

⑤ 面談対応の問題

書類上は問題なくても、面談時の受け答えで事業計画の核心部分について明確に答えられないと、審査通過は難しくなります。

元銀行マンからのアドバイス

日本公庫の審査担当者は「この人に貸して本当に返してもらえるか?」という視点で、あなたの計画と人柄を総合的に判断しています。一度断られたとしても、その理由を正確に把握し、改善することが再チャレンジの鍵となります。特に自己資金の充実、信用情報の改善、計画書の精緻化は最優先事項です。

これらの要因に該当する項目が多いほど、融資審査は厳しくなります。

一つでも致命的な要素があれば、それだけで不承認となる可能性が高いのです。

断られる理由問題の程度改善可能性目安となる改善期間
自己資金不足中~高高い3~6ヶ月(貯蓄・増資)
信用情報の問題非常に高い低~中6ヶ月~数年(事例による)
税金の滞納非常に高い高い即時(完済が必要)
事業計画の不備中~高非常に高い2週間~1ヶ月(再作成)
面談対応の問題高い1~2週間(準備・練習)

他の資金調達ルートを検討する

日本公庫での融資が難しいと分かった場合でも、代替となる資金調達の選択肢はいくつもあります。

次に、他の調達ルートについて詳しく見ていきましょう。

民間金融機関への再チャレンジ

日本公庫で断られても、民間の金融機関で融資を受けられる可能性はあります。

① 地方銀行・信用金庫・信用組合へのアプローチ

地域密着型の金融機関は、地元企業への理解が深く、公庫よりも柔軟な対応をしてくれる場合があります。

特に信用金庫や信用組合は「顔の見える関係」を重視する傾向があり、事業内容や経営者の人柄を総合的に判断してくれます。

融資を申し込む際のポイントは以下の通りです。

  • 地元企業支援に積極的な金融機関を選ぶ
  • 可能であれば紹介者(既存取引先など)を通じて接触する
  • 自社の強みや地域貢献について具体的に説明する
  • 日本公庫で指摘された弱点を改善してからアプローチする

② 信用保証協会付き融資の活用

各都道府県の信用保証協会が保証人となる「制度融資」も有力な選択肢です。

保証付き融資では、創業者向けの特別枠もあり、民間銀行で審査が通りやすくなります。

信用保証協会付き融資の主なメリット

  • 担保や第三者保証人が不要または軽減される
  • 銀行単独では難しい融資案件でも対応可能になる
  • 創業間もない企業でも利用できる制度が多い
  • 自治体によっては利子補給や保証料補助などの支援もある

活用のための具体的ステップ

  1. 地元の商工会議所や商工会で制度融資の概要を確認する
  2. 取引を希望する金融機関で制度融資について相談する
  3. 信用保証協会の事前相談を受ける
  4. 必要書類(事業計画書、資金計画書など)を準備する
  5. 金融機関経由で信用保証協会に申し込む

③ 民間金融機関を選ぶ際のポイント

銀行を選ぶ際は、以下のような点に注目すると良いでしょう。

  • 自社の業種への融資実績(経験値)がある
  • スピード審査に対応している
  • 経営相談や事業支援にも積極的である
  • 短期での資金需要にも柔軟に対応している
  • 将来的な関係構築を見据えた提案をしてくれる

🔍 自己資金が少ない場合の代替戦略
┗ 複数の小口融資を組み合わせて調達する
┗ ビジネスパートナーからの出資を検討する
┗ 法人・個人の資産(動産・不動産)を担保として活用する
┗ 売掛金など既存の債権を担保として提供する
┗ リースや割賦を活用して初期投資を分散させる

補助金・助成金の活用

融資とは異なり、返済不要の資金として補助金・助成金の活用も検討に値します。

① 代表的な補助金・助成金制度

中小企業や創業者向けの主な補助金には以下のようなものがあります。

1.小規模事業者持続化補助金

  • 上限:50~200万円(類型による)
  • 対象:販路開拓や業務効率化の取り組み
  • 特徴:比較的申請しやすく採択率も高め

2.ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

  • 上限:1,000万円~1,250万円(類型による)
  • 対象:革新的なサービス開発や生産プロセスの改善
  • 特徴:設備投資を伴う事業に適している

3.事業再構築補助金

  • 上限:最大1億円(類型による)
  • 対象:新分野展開や業態転換、事業再編
  • 特徴:大胆な事業転換を行う場合に有効

4.創業補助金(地域によって名称・内容が異なる)

  • 上限:数十万円~数百万円
  • 対象:創業間もない事業者の設備投資や広告宣伝費など
  • 特徴:自治体独自の支援制度として実施されることが多い

② 補助金活用の実務ポイント

補助金を獲得するには、以下のポイントに注意しましょう。

  • 公募スケジュールの確認
    多くの補助金は年に数回の公募があります。スケジュールを事前に確認し、準備期間を確保しましょう。
  • 審査のポイントを理解する
    補助金ごとに重視される評価ポイントが異なります。公募要領をよく読み、審査基準に沿った申請書を作成しましょう。
  • 具体的な数値目標を設定する
    「売上を増やす」ではなく「1年後に売上20%増」のように、具体的かつ測定可能な目標設定が重要です。
  • 専門家のサポートを受ける
    商工会議所の専門家派遣制度や認定支援機関のアドバイスを活用すると、採択率が高まります。

③ 補助金と融資の組み合わせ戦略

補助金は「後払い」が基本のため、事業実施に必要な資金を一時的に立て替える必要があります。

そこで以下のような組み合わせ戦略が効果的です。

  • 補助金の交付決定を受けてから「つなぎ融資」を申し込む
  • 補助対象外の経費は別途融資で調達する計画を立てる
  • 補助金で設備を整え、運転資金は融資で賄うなどの役割分担をする
補助金申請時の注意点

以下のポイントを忘れずにチェックしましょう。

  • 公募締切日は厳守(締切直前は混雑するため余裕を持って)
  • 添付書類の不備がないか確認(特に決算書や見積書)
  • 補助対象経費と対象外経費の区分を明確に
  • 申請後の計画変更は原則として認められない
  • 交付決定前に発注・契約した経費は対象外になる場合が多い

新しい資金調達の選択肢

従来型の融資や補助金だけでなく、最近では新たな資金調達方法も注目されています。

ここでは、クラウドファンディングやファクタリングなど、比較的新しい選択肢について解説します。

クラウドファンディング

インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める「クラウドファンディング」は、銀行融資とは全く異なるアプローチの資金調達方法です。

① クラウドファンディングの種類と特徴

主なクラウドファンディングの形態は以下の3種類です。

  • 購入型(リターン型):商品やサービスをリターンとして提供する形式
  • 寄付型:リターンを提供せず、活動の趣旨に賛同を得る形式
  • 投資型(株式型・融資型):投資として資金を集め、配当や利息を提供する形式

中小企業にとって最も活用しやすいのは「購入型」で、新商品の先行予約販売としての側面も持ちます。

② クラウドファンディングのメリット・デメリット

クラウドファンディングには以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 担保や保証人が不要
  • 返済義務がない(購入型・寄付型の場合)
  • マーケティング効果も期待できる
  • 顧客からの直接的なフィードバックが得られる
  • 支援者コミュニティの形成につながる

デメリット

  • 目標金額に達しないと資金調達できないケースがある(All or Nothing方式)
  • 手数料が比較的高い(10~20%程度)
  • 魅力的なリターン設計が必要
  • 公開情報が多く、アイデアの模倣リスクがある
  • 資金調達までのプロセスに時間と労力がかかる

③ 成功させるためのポイント

クラウドファンディングで成功するためのポイントは以下の通りです。

  1. 共感を呼ぶストーリー作り
  2. 魅力的なリターン設計(原価率に注意)
  3. 適切な目標金額設定(達成可能な金額に設定)
  4. SNSなど自社メディアでの情報発信
  5. プロジェクト期間中の積極的なコミュニケーション

業種別おすすめプラットフォーム

業種・資金用途おすすめプラットフォーム特徴
製造業・プロダクトMakuake, Campfire物理的な商品の先行予約に強い
飲食・小売READYFOR, CAMPFIRE地域密着型のプロジェクトに実績あり
IT・テクノロジーFUNDINNO(投資型)成長志向のスタートアップに適している
社会課題解決READYFOR, CAMPFIRE社会的インパクトを重視するプロジェクトに強い
アート・クリエイティブMotion Gallery, CAMPFIREクリエイティブプロジェクトの実績が豊富

ファクタリングや売掛債権担保融資

売掛金を早期に現金化する方法として、ファクタリングや売掛債権担保融資も選択肢となります。

① ファクタリングの基本

ファクタリングとは、企業が保有する売掛金(請求書)を専門業者(ファクタリング会社)に売却して、即座に資金化する手法です。

主な特徴

  • 審査が比較的速い(最短即日~数日)
  • 担保や保証人が不要
  • 売掛先の支払能力が重視される
  • 手数料(売掛金の1~10%程度)が発生する

② ファクタリングの種類

ファクタリングには主に以下の2種類があります。

2社間ファクタリング

  • 利用企業とファクタリング会社の2社で完結
  • 売掛先に知られずに利用できる
  • 比較的手数料が高い(5~10%程度)

3社間ファクタリング

  • 利用企業、ファクタリング会社、売掛先の3社間で契約
  • 売掛先の承諾が必要
  • 手数料が比較的低い(1~5%程度)

③ 売掛債権担保融資との比較

売掛債権担保融資とファクタリングは似ていますが、以下のような違いがあります。

項目ファクタリング売掛債権担保融資
性質売掛金の「売却」売掛金を「担保」とした「融資」
資金調達コスト手数料(一括)金利(期間に応じて発生)
売掛金の回収リスクファクタリング会社が負う(2社間の場合)基本的に利用企業が負う
審査の重点売掛先の信用力利用企業の信用力と売掛先の信用力
審査期間短い(即日~数日)やや長い(数日~2週間程度)

④ 活用する際の注意点

ファクタリングを利用する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 業者選びは慎重に:悪質な業者も存在するため、口コミや実績を確認
  • 契約内容の精査:手数料だけでなく、遅延時のペナルティなども確認
  • 開示する情報の範囲:売掛先との関係に影響する可能性を考慮
  • 継続的な利用の影響:資金繰りの根本的な改善につながっているか検討

🔍 小規模事業者がファクタリングを検討すべき状況
┗ 季節的な資金需要に対応する場合(繁忙期前の仕入れ資金など)
┗ 大型案件の入金までのつなぎ資金が必要な場合
┗ 急な設備修理など予期せぬ支出が発生した場合
┗ 新規取引開始に伴う一時的な資金需要がある場合
┗ 通常の融資では時間がかかりすぎる場合

審査を突破するための改善ポイント

融資審査に通りやすくするためには、具体的な改善ポイントを押さえることが重要です。

ここでは、私の銀行時代の経験から、審査を突破するための具体的なアドバイスをご紹介します。

事業計画書の強化と数字の整合性

融資審査において最も重要な書類は「事業計画書」です。

これを強化することで、審査通過率は大きく向上します。

① キャッシュフローモデルの作成方法

単なる売上・利益計画ではなく、月次のキャッシュフロー予測が重要です。

私がコンサルティング時代に活用していたExcelモデルの基本構成は以下の通りです。

  1. 売上予測:商品・サービス別、月次の販売数量×単価
  2. 変動費計算:原価率や外注費率を設定
  3. 固定費一覧:人件費、家賃、リース料など月々の固定支出
  4. 投資計画:設備投資や開発費用の時期と金額
  5. 資金計画:自己資金、借入金、返済スケジュール
  6. 月次CF表:入金と出金のタイミングを考慮した現金残高推移

このようなモデルを作成することで、資金ショートのリスクがないことを示せます。

② 説得力のある数字の根拠付け

計画上の数字には必ず根拠が必要です。

特に以下の項目には具体的な根拠を示しましょう。

  • 売上予測:市場規模、想定シェア、類似事例、試験販売結果など
  • 価格設定:競合分析、原価計算、顧客アンケート結果など
  • 集客計画:広告予算、反応率、過去の実績など
  • 原価率:仕入先の見積書、過去の実績、業界標準など

③ 事業計画書作成の具体的ポイント

効果的な事業計画書を作成するためのポイントは以下の通りです。

  1. エグゼクティブサマリーを充実させる:計画の要点を1ページにまとめる
  2. 市場分析を具体的に示す:市場規模、成長率、競合状況など
  3. 差別化ポイントを明確にする:なぜ顧客があなたを選ぶのかを説明
  4. 実績・経験を前面に出す:関連業界での経験や実績をアピール
  5. リスク分析と対策を記載する:想定されるリスクとその対応策
銀行審査担当が見ているポイント

私が銀行時代に融資審査で重視していたのは以下の点です。

  • 計画の「一貫性」と「整合性」
  • 返済原資(キャッシュフロー)の確実性
  • 最悪のケースを想定したシミュレーション
  • 数字だけでなく「事業への熱意」と「現実的な視点」のバランス
  • 業界知識や専門性の有無

経営者個人の信用力アップ

融資審査、特に創業期の融資では、経営者個人の信用力が大きく影響します。

① 個人信用情報のチェックと改善

融資審査の前に、自分の信用情報をチェックしておくことが重要です。

具体的には以下の手順で確認・改善を行いましょう。

1.信用情報機関に開示請求する

  • CIC(シー・アイ・シー)
  • JICC(日本信用情報機構)
  • JBA(全国銀行個人信用情報センター)

2.問題点があれば改善する

  • 各種ローンやクレジットカードの支払いを確実に行う
  • 延滞がある場合は速やかに解消する
  • 過剰な借入や多数のカード契約を見直す

3.改善のタイミングを把握する

  • 軽微な延滞情報は1~2年程度で消える
  • 重大な延滞情報は5~10年程度記録が残る

② 自己資金の効果的な提示方法

自己資金の「量」だけでなく「質」も重要です。

以下のポイントを意識して自己資金を準備・提示しましょう。

  • 通帳の履歴:突然大きな金額が入金されていると疑問視される場合も
  • 安定的な貯蓄:長期間かけて少しずつ貯めた資金は評価が高い
  • 事業専用口座の開設:プライベートとビジネスのお金を明確に分ける
  • 資金使途の明確化:自己資金の使い道を具体的に示す

③ 経営者としての信頼性向上策

経営者としての信頼性を高めるために、以下の点に注意しましょう。

専門性のアピール

┗ 業界経験や職務経歴を具体的に提示する
┗ 関連する資格や専門知識をアピールする
┗ 過去の業績や成功事例を数字で示す
┗ 専門家ネットワーク(顧問税理士、アドバイザーなど)を構築する

個人生活の安定性

┗ 家計の収支バランスを整える
┗ 住居費など固定費の比率を適正に保つ
┗ 税金や公共料金の支払いを滞らせない
┗ 個人的な浪費や投機的な投資を控える

よくある質問(FAQ)

最後に、資金調達に関してよく寄せられる質問とその回答をご紹介します。

Q: 保証人や担保がない場合でも融資を受けられる方法はありますか?

A: はい、可能性はあります。

日本公庫の「新規開業資金」では、一定条件を満たせば無担保・無保証人で融資を受けられます。

また、信用保証協会の「創業関連保証」を利用すれば、民間銀行でも担保なしで融資を受けられる場合があります。

担保・保証人が不要な資金調達方法としては、クラウドファンディングやファクタリングも選択肢となります。

ただし、いずれの場合も事業計画の説得力や経営者の信用力は重要な判断材料となるため、しっかり準備することが大切です。

Q: 補助金や助成金と融資を併用することは可能ですか?

A: 基本的に併用は可能です。

むしろ、補助金と融資を組み合わせることで、効果的な資金計画が立てられます。

例えば、補助対象となる設備投資には補助金を、運転資金には融資を活用するといった組み合わせが一般的です。

また、補助金は後払いが基本のため、補助金交付までのつなぎ融資を活用する方法もあります。

ただし、補助金の種類によっては、「他の公的支援との併用不可」などの条件がある場合もあるため、公募要領を確認することが重要です。

Q: ファクタリングと売掛債権担保融資はどう使い分ければ良いですか?

A: それぞれの特性を理解して使い分けることが大切です。

ファクタリングは以下の場合に適しています

  • 即時の資金調達が必要な場合
  • 信用力が高い大企業などへの売掛金がある場合
  • 短期的な資金ショートを回避したい場合
  • 融資の審査に時間をかけられない場合

売掛債権担保融資は以下の場合に適しています

  • コスト(金利)を抑えたい場合
  • 継続的に活用する予定がある場合
  • 銀行との取引実績を作りたい場合
  • 売掛先との関係性を大きく変えたくない場合

結局のところ、緊急度と費用のバランスで判断することになります。

即時性を重視するならファクタリング、コストパフォーマンスを重視するなら売掛債権担保融資が適しています。

Q: 信用金庫や地方銀行を利用するメリットは何でしょうか?

A: 地域密着型金融機関には以下のようなメリットがあります。

  1. 審査の柔軟性:地域の事情や業界特性を理解した上での判断が期待できます。
  2. 担当者との関係構築:メガバンクに比べて担当者の異動が少なく、長期的な関係が築きやすいです。
  3. ビジネスマッチング:地域内の取引先紹介など、資金以外の支援も期待できます。
  4. 地域特化型の融資制度:地元企業向けの独自融資商品や金利優遇制度がある場合があります。
  5. 経営相談・経営支援:財務だけでなく、経営全般についてのアドバイスが受けられる場合も多いです。

特に創業間もない企業や地域に根ざした事業者にとって、地域金融機関は心強いパートナーとなり得ます。

Q: 融資を断られた後、すぐに他行や他の資金調達手段を利用するのは問題ないですか?

A: 基本的に問題はありませんが、戦略的なアプローチが大切です。

まずは断られた理由を明確に把握し、改善できる点は改善してから次のアプローチをすることをお勧めします。

注意すべきポイント

  • 短期間に複数の金融機関に融資申込をすると「資金繰りが逼迫している」という印象を与える可能性があります。
  • 同じ内容で次々と申し込むよりも、指摘された弱点を改善してから再チャレンジする方が成功率は高まります。
  • 信用保証協会付き融資の場合、保証協会の審査情報は金融機関間で共有される場合もあります。

断られた理由によっては、融資以外の方法(例:クラウドファンディングや事業計画の見直し)を先に検討することも一つの選択肢です。

まとめ

日本政策金融公庫から「融資は厳しい」と言われたとしても、資金調達の道は決して閉ざされてはいません。

私が銀行時代の経験から言えることは、「資金調達は『複数の選択肢』と『計画の質』が成功の鍵」ということです。

本記事でご紹介した通り、民間金融機関への再チャレンジ、信用保証協会付き融資、補助金・助成金の活用、クラウドファンディング、ファクタリングなど、多様な選択肢があります。

大切なのは、自社のビジネスモデルや資金ニーズに最も適した方法を選ぶことです。

また、融資審査で重視されるポイントを理解し、事業計画書の質向上や経営者個人の信用力アップに取り組むことで、次回の資金調達成功率は大幅に高まります。

資金繰りは企業経営の血流です。

一度断られたからといって諦めることなく、より強固な事業基盤を作るための前向きなステップと捉えて、次なる一手を打っていきましょう。

自分一人で悩まず、商工会議所や認定支援機関の専門家、顧問税理士などに相談することも、解決への近道となります。

最後に一言:融資は企業と金融機関との長期的な信頼関係の始まりです。

今回の挫折を糧に、より強固な事業計画を作り上げ、次につなげていただければ幸いです。

🔄 明日の資金繰りを今日解決する最短ルート

┗ 最短3時間での資金調達を実現
┗ キャッシュフロー改善に特化した専門提案
┗ 経営危機を未然に防ぐ資金戦略サポート

【売掛金を即現金化】ファクタリングで資金繰りの不安を解消

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この記事を書いた人

はじめまして。「資金繰りベスト」ライターの佐藤真由美と申します。埼玉県さいたま市在住の45歳、中小企業の資金繰りと経営管理を専門とするファイナンシャルアドバイザー兼ライターです。

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