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「明日の支払いに困る前に」今日からできる!零細企業のための超簡単資金繰り術

こんにちは。元銀行員で、現在はさいたま市で経営アドバイザーをしている佐藤真由美です。

銀行の融資担当をしていた頃、私は数えきれないほどの零細企業の決算書を見てきました。

「黒字のはずなのに、来月の支払いができない…」
「利益は出ているはずなのに、なぜか手元にお金が残らない…」

そんな悲痛な叫びを、私は何度も耳にしてきました。

佐藤 真由美

でも大丈夫です。その原因のほとんどは、ほんの少しの知識と日々の小さな習慣で防げるものだったのです。

この記事では、難しい会計知識は一切使いません。私が現場で培ったノウハウの中から、零細企業が「明日の支払いに困る前に、今日からできる超簡単な資金繰り術」だけを厳選しました。

この記事を読み終える頃には、あなたは以下のことができるようになっています。

  • Excelで10分でできる超シンプルな資金繰り表の作成
  • 資金繰りを改善する3つの即効アクション
  • いざという時の頼れる相談先の活用法

あなたの胸のうちにある資金繰りへの漠然とした不安が、具体的な「次の一歩」に変わることをお約束します。

🔄 明日の資金繰りを今日解決する最短ルート

┗ 最短3時間での資金調達を実現
┗ キャッシュフロー改善に特化した専門提案
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【売掛金を即現金化】ファクタリングで資金繰りの不安を解消

🛡️この記事の監修者(運営会社・税理士による共同監修)

株式会社ウェブブランディング(運営会社)

資金繰り関連情報の総合的な監修を行い、正確で信頼性の高い情報提供を実現しています。

目次

なぜ零細企業は資金繰りに詰まるのか?元銀行員が見た3つの共通点

まずは敵を知ることから始めましょう。
私が銀行員時代に見てきた、資金繰りに窮する企業には、驚くほど共通点がありました。
自社に当てはまるものがないか、静かに胸に手を当てて考えてみてください。

共通点1:「どんぶり勘定」で月末まで残高がわからない

「売上は順調なはずなのに、なぜか月末になるとお金がない…」

これは最も多いパターンです。
日々の入金や出金を肌感覚で捉えていて、通帳の残高をきちんと確認するのは月末の経理作業の時だけ。
そして、月末の夕方、ATMの前で通帳の数字を見た瞬間、心臓が氷水に浸されたように冷たくなるのです。

感覚での経営は、霧の中を手探りで進むようなもの。
気づいた時には、崖っぷちに立っている危険性があります。

なお、明日の従業員への給料の支払いにお悩みの方は「明日給料払えない…社長が今すぐやるべき3つのこと」の記事を至急ご確認ください。

共通点2:売掛金の入金日を把握していない

請求書を発行し、郵送した時点で仕事が終わった気になっていませんか?

請求した代金、つまり「売掛金」が、いつ、いくら入金されるのかを正確に管理していないケースも非常に多いです。
「月末締め、翌月末払い」の約束が、取引先の都合で数日遅れただけで、あなたの会社の支払計画は一気に崩れ去ります。

これは、砂漠でオアシスが見えているのに、なかなかたどり着けないような焦燥感に似ています。
入ってくるはずのお金が、入ってこない。
これほど不安なことはありません。

共通点3:予期せぬ大きな支出への備えがない

「しまった、今月は消費税の支払い月だった…!」

法人税や消費税、労働保険料の支払い、設備の急な故障による修繕費。
こうした、毎月ではないけれど定期的にやってくる大きな支出を、すっかり忘れてしまっているケースです。

普段は穏やかな水面を保っている資金繰りも、これらの支払いが重なった瞬間、まるで大きな石を投げ込まれたように荒れ狂います。
この「忘れた頃にやってくる支出」への備えのなさが、命取りになることもあるのです。

消費税の支払いでお悩みなら「消費税が払えない中小企業必見!滞納前にやるべき5つの緊急対策」という記事も参考になります。

「キャッシュは企業の血液」まずは自社の健康状態を知ることから

資金繰り改善の第一歩は、難しい分析ではありません。
まずは、自社の「血液の流れ」、つまりお金の流れを、あなた自身の目で見えるようにすることです。

会計ソフトも専門知識も不要です。
必要なのは、Excelと、毎日5分の新しい習慣だけです。

ExcelでOK!10分でできる超シンプルな資金繰り表の作り方

日本政策金融公庫などが提供する立派な資金繰り表は、項目が細かすぎて挫折しがちです。
大丈夫。
本当に必要なのは、たった4つの項目だけです。

さあ、今すぐExcelを開いて、この4つの言葉を打ち込んでみてください。

A列     B列    C列    D列
+-----------+-----------+-----------+-----------+
| ①月初残高 | ②収入合計 | ③支出合計 | ④月末残高 |
+-----------+-----------+-----------+-----------+
|           |           |           |           |

たったこれだけです。
これが、あなたの会社の未来を映し出す「魔法の鏡」になります。

  • ①月初残高: 前の月の最後に残ったお金(④月末残高)をそのまま書きます。
  • ②収入合計: その月に入ってくる予定のお金をすべて書き出します。(例:A社売上、B社売上…)
  • ③支出合計: その月に出ていく予定のお金をすべて書き出します。(例:家賃、給料、仕入代金、借入返済…)
  • ④月末残高: 「①月初残高 + ②収入合計 - ③支出合計」で計算します。
佐藤 真由美

ポイントは、最低でも3ヶ月先まで作ってみることです。
そうすることで、「来月は大丈夫だけど、3ヶ月後は危ないぞ」という未来の危険信号を、事前にキャッチすることができます。

超シンプル資金繰り表の仕組み

毎日5分でOK!お金の動きを記録する習慣術

この表を作っただけでは、ただの絵に描いた餅です。
大切なのは、この表を「動かす」こと。

毎日、仕事の終わりに5分だけ時間をください。
それはまるで、一日の終わりに歯を磨くような、新しい習慣です。

  1. 会社の通帳(ネットバンクでOK)と、手元の現金を確認する。
  2. その日に動いたお金を、Excelの資金繰り表の「収入」か「支出」にメモする。
  3. 実際の残高と、Excelの残高が合っているか確認する。

たったこれだけです。
この毎日の5分が、月末に青ざめる悪夢からあなたを解放し、「先が読める」という大きな安心感をもたらしてくれます。

今日から実践!資金繰りを改善する3つの即効アクション

お金の流れが見えるようになったら、次はいよいよ改善です。
すぐに取り組めて、効果が出やすい3つのアクションに絞って解説します。

アクション1:入金を1日でも早く!「請求書」の小さな工夫

売掛金の回収を1日でも早めることは、資金繰りの鉄則です。
かといって、取引先に無理は言えません。
大切なのは、相手への配慮を欠かさない「小さな工夫」です。

なお、売掛金の未回収については「売掛金が回収できない!今すぐやるべき5つのステップ」という記事をご覧ください、参考になると思います。

工夫①:支払期日を明確に書く

「月末締め、翌月末払い」ではなく、「〇月〇日までにお支払いをお願いいたします」と具体的な日付を記載しましょう。

工夫②:「魔法のフレーズ」を添える

請求書に一言、「お支払いの準備等ございますので、もし期日を過ぎるようでしたら、事前にご一報いただけますと幸いです」と添えてみてください。これだけで、無断の遅延を防ぐ効果があります。

工夫③:請求書の発行日を早くする

月末締めなら、翌月の1日、朝一番に発行・送付する。この数日の差が、あなたの会社の資金繰りを助けます。

アクション2:支払いを無理なく延ばす「お願い」の仕方

どうしても支払いが厳しい時、仕入れ先への支払いを少しだけ待ってもらう交渉も必要になります。
多くの経営者が「関係が悪くなるのでは…」と恐れますが、コツがあります。

それは、「正直に、具体的に、誠実に」伝えることです。

私が銀行員時代に見てきた、信頼される社長は皆そうでした。

「申し訳ありません。A社からの入金が予定より1週間遅れており、御社へのお支払いが〇日までずれ込みそうです。必ずお支払いしますので、お待ちいただくことは可能でしょうか?」

嘘やごまかしは、一番の悪手です。

佐藤 真由美

雨の日に傘も差さずにずぶ濡れになっている人に、「大丈夫ですか?」と声をかけたくなるのが人情です。
誠実な相談は、むしろあなたの会社の信頼を深めるきっかけにすらなり得るのです。

アクション3:固定費の「聖域なき」見直し

毎月、必ず決まって出ていくお金、それが「固定費」です。
この固定費にこそ、改善の宝が眠っています。

「これは事業に必要な経費だから」という思い込み(聖域)を一度捨てて、一つひとつ見直してみましょう。

  • □ 家賃: 本当にその広さ、その立地は必要ですか?
  • □ 通信費: 携帯電話やネット回線のプランは最適ですか?
  • □ 保険料: なんとなく続けている保険はありませんか?
  • □ サブスク: 使っていないソフトウェアやWebサービスはありませんか?
  • □ 広告宣伝費: 効果の出ていない広告を続けていませんか?

一つひとつの金額は小さくても、年間で見れば大きなコスト削減に繋がります。

ただし、固定費は減らせばいいというわけではありません、そのあたりは「「固定費を削減せよ」は正しいのか?損益分岐点分析で考える最適な経営戦略」の記事で詳しく解説しております。

それでも足りない…「いざという時」のために知っておくべき資金調達と相談先

日々の努力だけでは、どうしても乗り切れない時もあります。
そんな時、一人で抱え込まないでください。
零細企業には、いざという時に頼れる心強い味方がいます。

銀行は「晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」と揶揄されることもありますが、これから紹介する場所は違います。
むしろ、小雨が降り始めた時にこそ、一緒に傘を探してくれる存在です。

頼れる相談先1:日本政策金融公庫の「小規模事業者経営改善資金(マル経融資)」

これは、零細企業にとって「最後の砦」とも言える融資制度です。
商工会議所や商工会で経営指導(原則6ヶ月以上)を受けると、その推薦により無担保・無保証人で融資を申し込めます。金利も非常に低く設定されています。

大切なのは、普段から商工会議所と付き合い、経営状況を相談しておくことです。
困ってから駆け込むのではなく、健康診断のように定期的に顔を出す関係を作っておきましょう。

関連: マル経融資(小規模事業者経営改善資金)

頼れる相談先2:地域の「よろず支援拠点」

これは、国が各都道府県に設置している無料の経営相談所です。
資金繰りの専門家はもちろん、販路開拓やIT活用など、様々な分野のプロがあなたの相談を待っています。

例えば、私の地元である埼玉県のよろず支援拠点では、どんぶり勘定だった飲食店が専門家と一緒に資金繰り表を作成し、経営を立て直した事例があります。

「こんなこと相談していいのかな…」なんて思う必要は全くありません。
あなたの会社の「かかりつけ医」だと思って、気軽に頼ってみてください。

頼れる相談先3:顧問税理士

あなたの会社の数字を、あなたと同じくらい、あるいはそれ以上に理解している専門家です。
「税金の計算をお願いするだけの人」ではありません。

あなたが作った資金繰り表を見せれば、より専門的な視点からアドバイスをくれたり、金融機関に提出する説得力のある資料作りを手伝ってくれたりします。
彼らもまた、あなたの事業の成功を願う、一番身近なパートナーなのです。

よくある質問(FAQ)

Q: 資金繰り表とキャッシュフロー計算書の違いは何ですか?

A: 良い質問ですね。
簡単に言うと、資金繰り表は「未来の天気予報」、キャッシュフロー計算書は「過去の天気図」です。
明日、傘を持っていくべきかを知るためには、まず「天気予報」を見ますよね。
日々の運転資金を管理するには、まず未来のお金の予定を予測する「資金繰り表」が何よりも重要になります。

Q: 赤字経営なのですが、融資は受けられますか?

A: 赤字だからといって、諦めるのはまだ早いです。
大切なのは、「なぜ赤字なのか」という理由と、「これからどうやって黒字にするのか」という具体的な計画です。

その計画が、金融機関を納得させられるだけの「未来への地図」になっていれば、融資の可能性は十分にあります。
特に、先ほどご紹介した日本政策金融公庫などは、まさにそうした企業の再チャレンジを支援するための機関です。

Q: 資金繰りが苦しい時、絶対にやってはいけないことは何ですか?

A: 喉が渇いたからといって、海水を飲む人はいませんよね。
安易に個人向けのカードローンで事業資金を補填したり、審査が甘い高金利のビジネスローンに手を出したりするのは、まさに海水を飲むのと同じです。

一時的に潤っても、高い金利がさらにあなたを苦しめ、根本的な解決から遠ざかってしまいます。
その前に、必ず公的な相談窓口という「真水の井戸」を頼ってください。

Q: 税理士に相談したいのですが、費用が心配です。

A: そのお気持ち、よく分かります。
まずは、「資金繰りが厳しい状況で、改善の相談をしたい」と正直に伝えてみてください。
相談内容を絞ることで、費用を抑えられる場合があります。

また、初回相談は無料で行っている税理士事務所も多いです。
無料相談を賢く活用して、信頼できるパートナーかどうかをあなた自身の目で見極めるのが良いでしょう。

Q: 売掛金をすぐ現金化できる「ファクタリング」は使ってもいいですか?

A: ファクタリングは、入金前の売掛金を買い取ってもらうことで、すぐに現金化できるサービスです。
しかし、手数料が高めに設定されていることが多く、安易に利用すると、せっかくの利益を大きく削ってしまいます。

長期的に見ると、かえって資金繰りを悪化させる「劇薬」にもなり得ます。
銀行融資や公的融資など、あらゆる手を尽くした上での、本当に最後の手段と考えるべきです。
利用するのであれば、ファクタリングベストのような相見積もりが可能な一括査定サービスを利用しましょう。

まとめ

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

零細企業の資金繰り術は、決してロケット科学のような難しいものではありません。
大切なのは、自社の血液の流れ、つまりお金の流れを「見える化」し、日々の小さな改善を、雨垂れ石を穿つように積み重ねていくことです。

本日ご紹介した、たった4項目だけの「超簡単な資金繰り表」。
これが、あなたの会社の未来を照らす、最初の灯火になります。

佐藤 真由美

まずはExcelを開いて、今日からお金の記録を始めてみてください。
その毎日5分の小さな習慣が、会社の未来を、そして経営者であるあなたの心の平穏を、大きく変える力になります。

もし、一人で抱えきれないと感じたら、決して無理をしないでください。
商工会議所やよろず支援拠点、税理士といった専門家は、あなたが手を伸ばすのを待っています。

あなたの会社が「明日の支払い」に悩むことなく、本来の事業に情熱を注げる日が来ることを、私も埼玉の地から、心から応援しています。

🔄 明日の資金繰りを今日解決する最短ルート

┗ 最短3時間での資金調達を実現
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この記事を書いた人

はじめまして。「資金繰りベスト」ライターの佐藤真由美と申します。埼玉県さいたま市在住の45歳、中小企業の資金繰りと経営管理を専門とするファイナンシャルアドバイザー兼ライターです。

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