「担保に出せる不動産がない…」
「倉庫の在庫や未入金の売掛金を、今すぐ運転資金に変えられないか…」
もしあなたが、こうした切実な悩みを抱える中小企業の経営者なら、この記事はあなたのためのものです。
はじめまして。元大手銀行の融資審査担当、佐藤真由美です。

銀行員時代、私は「不動産担保がない」というだけで、将来性ある企業の融資が滞る現実を数えきれないほど見てきました。その度に、経営者の汗と涙、数字の裏にある事業の「体温」を肌で感じてきました。
その経験から断言します。あなたの会社の「眠っている資産(在庫・売掛金)」は、事業を救う起爆剤になります。
本記事では、私が現場で見てきたリアルな視点から、不動産がなくても数千万円規模の資金調達を可能にする「ABL(動産・売掛金担保融資)」の全てを徹底解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたは自社の資産価値を正しく評価し、銀行と対等に交渉して力強いキャッシュフローを手に入れるための、明確な戦略を描けるようになっているはずです。


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ABL(動産・売掛金担保融資)とは?元銀行員が3分で解説
まず、ABLがどのような仕組みなのか、その心臓部に触れていきましょう。
従来の不動産担保融資との決定的な違い
銀行員として見てきた従来の融資は、その多くが「不動産」という揺るぎない資産を拠り所にしていました。
しかし、そのモデルには限界があります。
素晴らしいアイデアや技術力があっても、創業間もなかったり、オフィスが賃貸だったりすれば、融資の土俵にすら上がれないケースがあるのです。
ここで、ABLの画期的な点が浮かび上がります。
ABLは、企業の「事業そのもの」を評価する仕組みです。
あなたの会社が日々、懸命な事業活動の中で生み出している「在庫」や「売掛金」といった流動資産。
これらを担保として評価し、融資を行うのです。
私の持論は「キャッシュは企業の血液」です。
この視点で見ると、従来の融資とABLの違いは、このように表現できます。
【従来の不動産担保融資】
[ 不動産 ] <---(担保)--- [ 銀行 ] ---(融資)--> [ 会社 ]
↑ ↓
(事業とは直接関係ないことも) (運転資金へ)
【ABL(動産・売掛金担保融資)】
[ 在庫・売掛金 ] <===(事業活動で生まれる)=== [ 会社 ]
│ ↑
└----(担保)----> [ 銀行 ] ----(融資)----┘
↑
(事業の脈動を評価)
ABLは、あなたの事業の脈動、その力強い鼓動そのものを、未来へのエネルギーに変える仕組みなのです。
ABLで担保にできる「資産」の具体例
「うちの会社にも、そんな資産があるだろうか?」
ぜひ、ご自身の工場や店舗、オフィスを見渡すように想像しながら、このリストを確認してみてください。
- 製造業の資産
- 原材料: 製品になる前の素材。
- 仕掛品: 製造途中の半製品。
- 製品在庫: 完成し、出荷を待つ製品。
- 小売業・卸売業の資産
- 商品在庫: 販売を待つ商品群。
- 業種共通の資産
- 売掛金: 取引先に請求済みで、まだ入金されていない代金。
- 機械設備・車両: 事業に使っている機械やトラックなど。
私が銀行員時代に担当したケースでは、農産物(収穫前の米や野菜)や、介護事業者が持つ介護報酬請求権を担保にした事例もありました。
あなたが「当たり前」だと思っている日常業務の中にこそ、未来を拓く資産が眠っている可能性があるのです。
【業種別】中小製造業・在庫を抱える小売業がABLを活用する3大メリット
では、ABLを導入すると、具体的にどのような未来が待っているのでしょうか。
私がコンサルタントとして支援してきた企業の、実例を交えてお話しします。
メリット1:不動産がなくても大規模な資金調達が可能に
これはABLがもたらす、最も直接的で力強い恩恵です。
A社は高い技術力を持ちながらも、工場は賃貸で、担保となる不動産がありませんでした。
そんな折、大手メーカーからこれまでの倍近い規模の受注がありましたが、先行する材料の仕入れ資金が数千万円不足。
社長の心臓は、大きなチャンスへの期待と、資金ショートの恐怖で締め付けられるようでした。
そこで私は、A社が抱える原材料と仕掛品在庫を担保とするABLを提案。
整理整頓された在庫管理と、社長の熱意ある事業計画を銀行も高く評価し、無事に3,000万円の融資枠を確保できました。
企業の血液であるキャッシュが力強く脈打ち始めたA社は、このチャンスを逃さず、売上を前年比150%にまで成長させました。
メリット2:事業の成長に合わせた柔軟な融資枠設定
事業には波があります。
売上が伸びれば、必要な在庫や売掛金も増えていく。
ABLは、その事業の成長曲線に寄り添うように、融資枠を柔軟に見直せる特性があります。
B社は、冬物のコートなど単価の高い季節商品を扱うため、毎年秋口になると仕入れ資金でキャッシュフローが著しく悪化。
繁忙期直前の資金繰りのプレッシャーに、経営者は毎晩冷たい汗をかいていました。
B社は、季節ごとに増減する商品在庫の価値に応じて、融資枠を柔軟に見直せるABLを導入。
これにより、繁忙期前の仕入れ資金を安定的に確保できるようになり、品切れによる販売機会の損失もなくなりました。
経営者は資金繰りの心配から解放され、本来の業務である商品企画や接客に集中できるようになったのです。
メリット3:金融機関との対話による経営管理体制の強化
ABLでは、担保資産の状況を3ヶ月に一度など、定期的に金融機関へ報告する必要があります。
これを「手間だ」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、これは自社の経営を見つめ直す絶好の機会なのです。
定期的な報告は、自社の在庫管理や売掛金回収の体制を、客観的な視点で見直すきっかけになります。
「不良在庫がこれだけあったのか」「この取引先からの入金がいつも遅れがちだ」といった課題が浮き彫りになるのです。
さらに、報告を通じて金融機関との対話が深まります。
私が知る多くの経営者は、銀行の担当者から経営改善に繋がる有益なアドバイスを得ています。
金融機関を「お金を借りるだけの相手」から、「共に未来を創るパートナー」へと変える。
それもまた、ABLがもたらす大きな価値なのです。
ABLの審査はここを見ている!元融資担当者が明かす評価のポイント
「うちの在庫や売掛金は、本当に評価されるのだろうか?」
ここでは、元融資担当者として、私たちが審査でどこを見ていたのか、その裏側をお話しします。
「在庫」の評価:管理体制と換金価値がすべて
銀行が在庫を評価する際に見ているのは、単なる量や金額ではありません。
その在庫が、いざという時に「どれだけ速く、いくらで現金化できるか」という換金価値です。
そして、その価値を裏付けるのが「管理体制」です。
- 整理整頓された在庫管理 → 在庫が品種別・日付別にきちんと整理されているか。これは、経営者の管理能力の現れと見なされます。
- 定期的な棚卸しの実施 → 正確な在庫リスト(在庫一覧表)が、すぐに提出できるか。データの信頼性は極めて重要です。
- 不良在庫の適切な処分 → 長期間動いていない在庫や劣化品を放置していないか。健全な在庫サイクルを維持する姿勢が評価されます。



審査の際には、外部の専門評価会社が実地調査に入ることもあります。
日頃から、誰に見られても恥ずかしくない状態を保つことが、評価を高めるための何よりの近道です。
「売掛金」の評価:売掛先の信用力が鍵
売掛金の場合、評価の鍵を握るのは、あなたの会社だけでなく「売掛先の信用力」です。
もし、あなたの取引先に誰もが知るような大手企業や官公庁が多ければ、それは非常に強力なアピールポイントになります。
その売掛金は「ほぼ確実に回収できる優良資産」と見なされるからです。
審査時には、得意先別の売掛金残高がわかる書類(得意先元帳など)の提出を求められます。
その際、債権譲渡が禁止されている契約(債権譲渡禁止特約)がないかを事前に確認しておくことも、実務上とても重要です。
事業の将来性:決算書だけではない「事業性評価」
そして最も重要なのが、決算書という過去の数字だけでは測れない「事業の将来性」です。
ABLの審査は、あなたの事業が将来にわたってキャッシュフローを生み出し続けられるか、という「事業性評価」そのものです。
なぜ、その在庫は売れるのか。
なぜ、その売掛金は回収できるのか。
その根拠となる、あなたの事業の強みや独自性を、自分の言葉で語る必要があります。
説得力のある事業計画書はもちろんですが、審査担当者の心を動かすのは、経営者自身の熱意です。
あなたの言葉で、事業の未来を熱く語ってください。
デメリットと注意点も知っておこう|ABL活用で失敗しないために
どんな優れた制度にも、光と影があります。
ABLを成功させるためには、事前に注意点を理解しておくことが不可欠です。
手間とコスト:定期的な報告義務と評価費用
前述の通り、ABLには定期的な資産状況の報告義務が伴います。
また、外部の評価機関を利用する場合、その評価費用(数十万円程度かかることも)は、原則として融資を受ける企業側の負担となります。
これらの手間とコストを、「未来への投資」「経営体質を強化するための好機」と捉えられるかどうかが、一つの分かれ道になるでしょう。
過剰担保のリスクと金利設定
金融機関によっては、融資額に対して必要以上に多くの在庫や売掛金を担保として求められるケース(過剰担保)も稀にあります。
また、金利も不動産担保ローンに比べると、やや高めに設定されるのが一般的です。
ここで重要なのは、最初から一社に絞らず、複数の金融機関と交渉することです。
特に、あなたの会社の内情をよく理解してくれているメインバンクに相談するのが第一歩ですが、他の銀行や信用金庫の提案と比較検討することで、自社にとって最適な条件を引き出すことができます。
よくある質問(FAQ)
Q: 赤字決算でもABLを利用できますか?
A: 元銀行員としての見解ですが、可能性は十分にあります。
ABLは過去の決算内容だけでなく、担保資産の価値と事業の将来性を重視するためです。
赤字の理由(例:新製品開発のための先行投資など)を合理的に説明し、それを上回る説得力のある事業計画を提示することが重要です。
Q: 融資実行までの期間はどれくらいですか?
A: ケースバイケースですが、申し込みから2週間~1ヶ月程度を見込むのが一般的です。
在庫や機械設備の評価に外部機関を利用する場合、さらに時間がかかることもあります。
不動産担保ローンに比べ、資産評価に時間がかかる傾向があるため、早めのご相談をおすすめします。
Q: 必要な書類は何ですか?
A: 決算書や事業計画書に加え、「在庫一覧表」「売掛金明細(得意先元帳など)」といった、担保資産の詳細なリストが必須です。
金融機関との初回相談時に、どのような形式でデータを準備すればよいか確認しておくと、その後の手続きが非常にスムーズになります。
Q: ABLとファクタリングの違いは何ですか?
A: これは非常に重要な違いです。
ABLは売掛金などを「担保」にお金を借りる「融資」ですが、ファクタリングは売掛金を「売却」して資金化する「債権売買」です。
一般的に、ABLは継続的な運転資金の確保に、ファクタリングは急な資金需要への一時的な対応に向いています。
手数料(金利)や審査の視点も全く異なるため、状況に応じた使い分けが肝心です。
Q: どの金融機関に相談すればよいですか?
A: 多くの地方銀行や信用金庫が積極的に取り組んでいます。
まずは、あなたの会社のメインバンクに相談するのが第一歩です。
私の地元である埼玉県でも、武蔵野銀行などが熱心に取り組んでいます。
また、経済産業省や中小企業庁のウェブサイトでも、ABLに取り組む金融機関の情報を得ることができます。
まとめ
ABLは、不動産を持たない中小企業、特に在庫や売掛金といった流動資産を多く抱える製造業や小売業にとって、事業を大きく飛躍させる可能性を秘めた、強力な資金調達手法です。
銀行員として、そして経営アドバイザーとして多くの企業を見てきた私の持論は、「キャッシュは企業の血液」です。
血液が滞れば、どんなに屈強な肉体も力を発揮できません。
ABLを正しく理解し活用することで、あなたの企業の血流は、格段に良くなります。
この記事で解説した審査のポイントやメリットを参考に、まずはあなたの会社のパートナーである取引金融機関に、「ABLについて話を聞きたい」と伝えてみてください。
その一言が、あなたの会社の倉庫に眠る資産を目覚めさせ、未来を切り拓く力になるはずです。


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