「売掛金が回収できない…このままでは資金繰りが危険だ」
そんな不安で眠れない夜を過ごしていませんか?
約束の日を過ぎても振り込まれない通帳。
減っていく残高を見るたびに、心臓がキュッと縮むような感覚。

売掛金の未回収は、企業の生命活動を脅かす深刻な事態です。
この記事では、売掛金が回収できないときに今すぐやるべき5つのステップを、具体的かつ実践的に解説します。最後まで読めば、あなたは感情に流されることなく、冷静かつ効果的な回収手順を実行できるようになります。
結論から言うと、最も重要なのは「段階的なアプローチ」です。元銀行員として数多くの企業の資金繰りを見てきた私が、手順を間違えずに回収可能性を大きく高める方法をお伝えします。
「キャッシュは企業の血液」です。一人で抱え込まず、正しい手順で大切な資金を守り抜きましょう。


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🛡️この記事の監修者(運営会社・税理士による共同監修)
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👤 東 岳夫(あずま たけお)氏
代表税理士 / 税理士法人ベンチャーパートナーズ総合会計事務所
平成15年税理士登録、同年「税理士法人ベンチャーパートナーズ総合会計事務所」を開業。「起業家支援」を自らの責務とし、「税理士はサービス業」をモットーに、数多くの企業のサポートを行っている。中小企業の資金調達や財務に関する専門的な監修を担当。
監修者プロフィール詳細(外部リンク)
ステップ1:まずは冷静に状況整理!社内対応を徹底する
焦りからすぐに相手への連絡や法的手段を考えがちですが、それは悪手です。
最初にやるべきは、自社の足元を完璧に固めること。
銀行の融資審査でも、こうした基礎的な管理体制が整っているかは、企業の信用度を測る上で厳しく見られるポイントです。
まずは、誰が見ても揺るがない「客観的な事実」を揃えましょう。
証拠資料を完璧に揃える
後の交渉や法的手続きで、あなたの唯一の武器となるのが「証拠」です。
以下の書類が全て揃っているか、時系列でクリアファイルにまとめてください。
これがなければ、どんな交渉も有利に進められません。
- 契約書、発注書、請書:取引の根幹を示す書類です。
- 納品書、検収書:あなたが義務を果たしたことの証明になります。
- 請求書(控え):あなたが支払いを求めた事実を示します。
- これまでのメールやFAXなど:取引先とのやり取りの記録は、全て重要な証拠です。
社内の情報を一元化し、担当者を明確にする
「経理は『まだ入金がない』と言っているが、営業は『先方が来月には払うと言っていた』と報告している」
こんな状況は、絶対に避けなければなりません。
社内の情報がバラバラでは、相手に「管理が甘い会社だ」と足元を見られます。
誰が主担当として交渉の窓口になるのかを決め、全ての情報をその担当者に集約するルールを徹底してください。



これは、取引先に対して毅然とした態度を示すための、組織としての第一歩です。
キャッシュフローへの影響を試算する
未回収の金額が、自社の資金繰りに「いつ」「どの程度」の影響を与えるのかを具体的に把握します。
お手元の資金繰り表を見てください。
そして、思考実験をしてみましょう。
「もし、最悪のケースとして、この入金が永久になかったとしたら…?自社はあと何ヶ月、事業を継続できるだろうか?」
このシミュレーションを行うことで、感情的な焦りから解放されます。
交渉にかけられる時間的なリミットが明確になり、冷静な判断が可能になるのです。
ステップ2:段階的アプローチで相手に連絡・督促する
社内の準備が整ったら、いよいよ相手へのアプローチを開始します。
ここでの鉄則は、感情的にならず、あくまで事務的に、しかし着実にプレッシャーの段階を上げていくこと。
関係性を維持しつつ回収できるのが、もちろん最善のシナリオです。
【第1段階:ソフトな確認】
電話・メール
│
(解決しない場合)
↓
【第2段階:書面での催促】
督促状(普通郵便)
│
(解決しない場合)
↓
【最終通告:強い意思表示】
内容証明郵便(配達証明付)
【第1段階】電話・メールによる事実確認
まずは、
「〇月〇日お支払予定の件ですが、本日時点でご入金の確認が取れておりませんで、状況はいかがなさいましたか?」
と、相手の単純なミスや失念の可能性を考慮した丁寧なトーンで連絡します。
ここで最も重要なのは、支払えない理由を具体的に聞き出すことです。
単に忘れていただけなのか、資金繰りが厳しいのか、それとも請求内容に不満があるのか。
理由によって、次の打ち手が変わってきます。
必ず「いつまでなら支払えるのか」という具体的な日付を約束させ、その内容を記録しておきましょう。
【第2段階】督促状(支払催促状)の送付
電話での約束が守られない、あるいは連絡がつかない場合、次のステージに進みます。
書面で支払いを要請する「督促状」を送付しましょう。
ここでは、単にお願いするだけでは効果がありません。
「本書面到着後、〇月〇日までにお支払いいただけない場合、誠に不本意ながら、法的な手続きへの移行を検討せざるを得ません」
といった一文を入れ、こちらの本気度を明確に伝えます。
普通郵便で構いませんが、送付した督促状のコピーと、送付日を記録に残しておくことが重要です。
ステップ3:「内容証明郵便」で本気度を伝える最終通告
督促状を送っても梨のつぶて。
そんな時は、いよいよ最終通告です。
これは「これ以上、遅延は許さない」という、あなたの会社からの極めて強い意思表示であり、法的手続きへの移行を具体的に予告するものです。
この書面が相手のデスクに届いた時の、空気の張り詰めるような緊張感を想像してください。
その心理的なプレッシャーは絶大です。
内容証明郵便とは何か?その効果を理解する
内容証明郵便とは、「いつ、誰が、どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が公的に証明してくれる制度です。
- 法的強制力はない:これ自体で、相手の財産を差し押さえることはできません。
- 強力な証拠能力:しかし、裁判になった際に「確かに支払いを請求した」という有力な証拠になります。
- 時効完成の猶予:そして、もう一つ重要な効果があります。それは時効の完成を6ヶ月間、先延ばしにできることです。時効が迫っている場合には、極めて有効な手段となります。
弁護士・行政書士名で送付する選択肢
可能であれば、この段階で弁護士や行政書士に依頼し、専門家の名前で送付することをお勧めします。
法律事務所の角印が押された書面が届いた時のインパクトは、社長名で送るのとは比較になりません。
相手に「これは本気だ。専門家が後ろについている」と思わせ、支払いに応じさせる強いプレッシャーとなります。
費用対効果を考え、検討する価値は十分にあります。
ステップ4:少額から始められる法的措置を検討する
交渉が決裂した場合、いよいよ法的な手続きに入ります。
「裁判なんて、費用も時間もかかる…」と躊躇する必要はありません。
中小企業でも比較的利用しやすい制度から検討しましょう。
支払督促:裁判所に行かずにできる迅速な手続き
これは、裁判所に行かなくても、書類審査のみで裁判所が相手に支払いを命じてくれる制度です。
ただし、相手が異議を申し立てると、通常の訴訟手続きに移行します。
相手に争う意思がなさそうな場合や、プレッシャーをかけたい場合に有効です。
少額訴訟:60万円以下の金銭トラブルに
回収したい売掛金が60万円以下であれば、この制度が利用できます。
原則として1回の期日で審理が終わり、即日判決が言い渡される、迅速な手続きです。
費用も比較的安く、手続きも簡易なため、中小企業にとって心強い味方です。
判決だけでなく、分割払いや遅延損害金の免除など、実情に応じた柔軟な内容での和解が成立することも少なくありません。
ステップ5:専門家への相談と「二度と繰り返さない」ための予防策
売掛金の回収も重要ですが、経営アドバイザーとして私が最も強調したいのは、ここからです。
さらに重要なのは、このような事態を二度と起こさない「強い仕組み」を会社に作ることです。
弁護士に相談すべき具体的なタイミング
「内容証明を送っても、まったく反応がない」
「相手が倒産しそうだという噂を聞いた」
「回収額が数百万と高額で、自社の経営を揺るがすレベルだ」
こういった場合は、迷わず弁護士に相談してください。
費用倒れを心配する方もいますが、多くの法律事務所では初回相談を無料で行っています。
まずは現状を話し、専門家としてどう動くべきか、見通しを聞いてみるだけでも価値があります。
今後のための「与信管理」を徹底する
あなたの会社には、新規で取引を始める際の明確な審査基準がありますか?
定期的に取引先の経営状況を確認していますか?



帝国データバンクのような信用調査会社のレポートを取得するだけでなく、場合によっては決算書の提出を取引条件にするなど、銀行が融資審査で行うような「与信管理」を自社でも導入することが、最強の予防策です。
一度甘い顔を見せると、同じようなトラブルは必ず繰り返されます。
契約書に「期限の利益喪失条項」と「遅延損害金」を明記する
あなたの会社の契約書を、今すぐ見直してください。
以下の2つの条項が入っているか、必ず確認しましょう。
- 期限の利益喪失条項:「支払いが一度でも遅れた場合、分割払いの権利を失い、残額を一括で支払わなければならない」という条項です。
- 遅延損害金:支払いが遅れた場合に、年率で課されるペナルティです(例:年率14.6%など)。
これらを契約書に盛り込んでおくだけで、支払い遅延に対する強力な抑止力となります。
よくある質問(FAQ)
Q: 売掛金の時効は何年ですか?
A: 2020年4月1日の民法改正により、原則として「権利を行使できることを知った時から5年」に統一されました。ただし、時効が迫っている場合は、内容証明の送付(6ヶ月の猶予)や訴訟提起などで時効の進行をストップさせる手続きが必要です。
Q: 弁護士費用はどれくらいかかりますか?費用倒れが心配です。
A: 弁護士費用は「着手金(依頼時に支払う)」と「成功報酬(回収できた金額に応じて支払う)」で構成されるのが一般的です。債権額にもよりますが、最近は着手金無料で成功報酬のみの事務所も増えています。費用倒れのリスクについては、相談時に必ず確認しましょう。
Q: 相手が倒産・破産してしまったら、もう回収は不可能ですか?
A: 完全に不可能とは限りません。破産手続きの中で、会社の財産を債権者で分け合う「配当」を受けられる可能性があります。また、経営セーフティ共済(倒産防止共済)に加入していれば、無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れが可能です。万が一に備え、こうした制度の活用も検討すべきです。
Q: 少額の売掛金でも、手間をかけて回収すべきでしょうか?
A: これは経営判断になりますが、私の経験上、少額でも安易に諦めるべきではありません。一度「この会社は強く言えば支払いを免除してくれる」と認識されると、その評判は業界内であっという間に広がります。会社の信用を守るためにも、毅然とした対応を示すことが、将来のリスク管理に繋がります。
Q: ファクタリングというサービスを聞いたのですが、利用すべきですか?
A: ファクタリングは、売掛債権を専門業者に買い取ってもらい、早期に資金化するサービスです。手数料はかかりますが、急な資金需要がある場合や、自社で回収する手間や精神的負担を避けたい場合には有効な選択肢です。ただし、手数料率や契約内容をよく比較し、信頼できる業者を選ぶことが極めて重要です。
まとめ:会社の「血液」を守り抜くために、今日からできること
売掛金の未回収は、どんなに気をつけていても起こりうる経営リスクです。
大切なのは、事が起きた時に慌てず、この記事で解説したステップに沿って冷静かつ迅速に行動することです。
まずは証拠を固め、段階的に相手にアプローチし、必要であれば法的手段や専門家の力も借りる。
そして何より、今回の痛みを伴う経験を糧に、与信管理や契約内容の見直しといった「予防策」を徹底し、二度と同じ轍を踏まない強い経営体質を築き上げてください。



企業の「血液」であるキャッシュフローを守り抜くことは、経営者の最も重要な責務の一つです。
もしあなたが埼玉県、あるいはその近郊で事業を営んでいて、「誰に相談すれば…」と途方に暮れているのであれば、埼玉弁護士会や埼玉県産業振興公社(企業支援グループ)などが実施している無料の法律相談や経営相談を利用するのも一つの手です。
どうか、一人で抱え込まないでください。
今日からできる第一歩を、今すぐ踏み出しましょう。


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