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ファクタリング契約時の債権譲渡登記とは?手続きと費用を解説

金融コンサルタントの山田麻里です。

「ファクタリング契約で債権譲渡登記が必要って言われたけど、費用はいくらかかるの?」
「取引先にバレてしまうのでは…」

と不安を感じていませんか?

山田 麻里

その気持ち、痛いほどわかります。資金調達を急いでいる中で、突然「登記が必要です」と言われると心配になりますよね。

この記事では、債権譲渡登記の仕組みから具体的な費用まで、誰にでもわかるように解説します。最後まで読めば、安心してファクタリング契約を進められるようになります。

結論から言うと、債権譲渡登記は安全な取引のための重要な手続きで、費用は7万円~15万円程度です。取引先に知られることもありません。500社以上の資金調達をサポートしてきた私が、その詳細を分かりやすくお伝えします。

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目次

そもそも債権譲渡登記とは?ファクタリングにおける役割を解説

債権譲渡登記の基本的な仕組み

少し難しい言葉が出てきますが、安心してください。
一つひとつ、丁寧にかみ砕いて説明しますね。

「債権譲渡登記」とは、とてもシンプルに言うと、「法人が持つ売掛金などの債権を、他の誰かに譲渡した」という事実を、法務局に登録して公的に証明する制度のことです。

会社の金庫や不動産と違い、「売掛金」という権利は目に見えません。
だからこそ、その権利が誰のものなのかを、誰が見てもわかるように「登記」という形で記録しておく必要があるのです。


【一行要約】債権譲渡登記とは、目に見えない「債権」の持ち主を公的に示すための登録制度。


なぜファクタリングで登記が必要になるのか?

では、なぜファクタリング、特に「2社間ファクタリング」でこの登記が重要になるのでしょうか。
それは、ファクタリング会社が「債権の二重譲渡」という最大のリスクから自社を守るためです。

山田 麻里

二重譲渡については「ファクタリング複数申し込みは違法?二重譲渡を避ける安全な相見積り方法」の記事が参考になります。

私がコンサルタント時代に目の当たりにした、ある建設会社の事例をお話しします。
その会社は、A社への100万円の売掛金を、まずXファクタリング会社に売却して資金化しました。しかし、その数日後、同じ100万円の売掛金を、今度はYファクタリング会社にも売却してしまったのです。

これは悪意のある「二重譲渡」でした。
この時、もしX社が債権譲渡登記をしていなければ、Y社も「自分たちが正当な権利者だ」と主張し、どちらが本当の権利者なのか、法的に複雑な争いに発展してしまいます。

ファクタリング会社にとって、このようなトラブルは絶対に避けたい事態です。
だからこそ、契約と同時に債権譲渡登記を行い、「この売掛金は、間違いなく私たちが譲り受けました」という公的な証拠を確保するのです。

第三者対抗要件とは?専門用語をわかりやすく

ここで必ず出てくるのが「第三者対抗要件」という法律用語です。
これも難しく考える必要はありません。

第三者対抗要件とは

「第三者対抗要件」とは、「この売掛金は私のものです!」と、売掛金の支払いをする取引先(債務者)“以外”のすべての人(第三者)に主張できる権利のことです。

先ほどの二重譲渡の例で言えば、Y社や、もしその建設会社が倒産した場合の他の債権者などが「第三者」にあたります。

債権譲渡登記をしておくことで、この「第三者対抗要件」を備えることができます。
つまり、万が一トラブルが起きても、ファクタリング会社は「登記があるので、法的に権利があるのは私たちです」と堂々と主張できるわけです。

【第三者対抗要件の役割】

登記がない場合

  • 利用者 → X社へ債権譲渡
  • 利用者 → Y社へ同じ債権を二重譲渡
  • 結果: X社とY社のどちらが権利者か不明確になり、トラブルに。

登記がある場合

  • 利用者 → X社へ債権譲渡 → 【債権譲渡登記】
  • 利用者 → Y社へ同じ債権を二重譲渡
  • 結果: X社が登記によって「第三者対抗要件」を備えているため、Y社に対して権利を主張できる。

【一行要約】「第三者対抗要件」とは、取引先以外への公的な権利主張のことで、登記がその証明書になる。


債権譲渡登記の効果

債権譲渡登記の手続きの流れと必要書類

STEP1:必要書類の準備

登記手続きは、まず必要書類を揃えることから始まります。
主に以下の書類が必要です。

  • 登記事項概要ファイル: 登記内容のデータを記録した電子ファイル。
  • 登記申請書: 誰が誰に、どの債権を譲渡したのかを記載する申請書。
  • 譲渡人の資格証明書: 会社の登記事項証明書(登記簿謄本)など。
  • 代理権限証明書: 司法書士に依頼する場合の委任状。
  • 譲渡する債権の情報: どの売掛先に対する、いくらの債権なのかがわかる資料。
山田 麻里

これらの書類はファクタリング会社や依頼する司法書士が主導して準備してくれます。あなたは指示に従って、自社の登記事項証明書などを準備するだけで大丈夫です。

STEP2:申請書の作成と提出

書類が準備できたら、法務局へ申請します。
全国の債権譲渡登記は、すべて東京法務局が一括で管轄しています。

申請方法は主に以下の3つです。

申請方法メリットデメリット
窓口申請直接質問ができ、不備があればその場で修正できる。東京法務局まで行く必要がある。
郵送申請全国どこからでも申請できる。書類に不備があると、やり取りに時間がかかる。
オンライン申請24時間申請可能で、移動の手間がない。譲渡人・譲受人双方の電子証明書が必要で、準備のハードルが高い。

実務上は、司法書士が最も確実な方法(郵送やオンライン)で代行してくれます。

STEP3:登記完了と登記事項証明書の取得

申請後、法務局での審査(通常は数日~2週間程度)を経て、問題がなければ登記が完了します。
完了後は「登記事項証明書」を取得でき、これが登記内容を公的に証明する書類となります。


【一行要約】手続きは「書類準備→申請→完了」の3ステップだが、専門的なので司法書士に任せるのが基本。


気になる債権譲渡登記の費用内訳

必ずかかる「登録免許税」

これは、登記をする際に国に納める税金です。
譲渡する債権の数が5,000件以下であれば7,500円、5,000件を超えると15,000円となります。
通常のファクタリングであれば、7,500円のケースがほとんどです。

専門家への依頼費用「司法書士報酬」

登記手続きを司法書士に代行してもらうための費用です。
これが費用の大部分を占め、相場は4.5万円~10万円程度です。
手続きの難易度や、ファクタリング会社と提携している司法書士かどうかで金額は変動します。

山田 麻里

ファクタリング会社から提示された司法書士報酬が相場より著しく高いと感じた場合は、見積もりの内訳を確認させてもらいましょう。場合によっては、自分で探した司法書士に依頼することも可能か相談してみる価値はあります。

費用の総額と負担者についての注意点

登録免許税と司法書士報酬を合わせると、債権譲渡登記には総額で5万円~11万円程度の費用がかかることになります。

【重要】この費用は、ファクタリング利用者が負担するのが一般的です。

手数料とは別に請求されるため、この費用を考慮せずに契約を進めると、想定より手元に残る資金が少なくなってしまいます。必ず契約前に、登記費用の有無と金額、誰が負担するのかを確認してください。


【一行要約】登記費用は総額5万~11万円程度が相場で、利用者が負担することが多い。


債権譲渡登記のメリットとデメリットを徹底比較

メリット:ファクタリング会社のリスク軽減と利用者のメリット

ファクタリング会社のメリット

  • 二重譲渡などのトラブルを防ぎ、権利を法的に保全できる。

利用者側のメリット

  • ファクタリング会社の安心材料となるため、審査に通りやすくなる傾向がある。
  • 会社によっては、登記を条件に手数料を少し引き下げてくれる可能性がある。

登記は、ファクタリング会社にとっては「保険」のようなものです。
この保険があることで、より安心して取引に応じてもらいやすくなる、という点が利用者にとってのメリットと言えます。

デメリット1:費用負担が発生する

前述の通り、5万円以上の費用がかかる点が最大のデメリットです。
特に、30万円や50万円といった少額のファクタリングを利用する場合、登記費用だけで手数料が10%以上上乗せされるのと同じインパクトになり、資金繰り改善の効果が薄れてしまいます。

デメリット2:取引先や金融機関に知られるリスク

登記された情報は、法務局で手数料を払えば誰でも閲覧できます。
そのため、あなたの会社の登記情報を調べられた場合、ファクタリングを利用していることが知られてしまう可能性があります。

取引先

わざわざ調べる可能性は低いですが、知られた場合に「資金繰りが悪化しているのでは?」と信用不安につながるリスクはゼロではありません。

金融機関

融資審査の際には、与信調査の一環として登記情報を確認することがあります。ファクタリングの利用が、今後の融資に影響を与える可能性も考慮すべきです。

山田 麻里

私がコンサルティングをしていた経験上、取引先に知られるケースは稀ですが、金融機関には知られる可能性がある、と認識しておくのが現実的です。

デメリット3:資金化までに時間がかかる

登記手続きには、申請から完了まで数日~2週間程度かかります。
そのため、「今日・明日中にどうしても現金が必要」という緊急性の高い場合には、登記手続きがボトルネックとなり、即日での資金調達は難しくなります。

【コンサルタントが解説】登記が必要なケース・不要なケース

2社間ファクタリングでは登記を求められることが多い

売掛先にファクタリングの利用を通知しない「2社間ファクタリング」では、ファクタリング会社が債権の存在を公的に証明する手段が登記しかありません。
そのため、多くのファクタリング会社が、リスクヘッジのために登記を必須条件としています。

3社間ファクタリングでは原則不要

売掛先の承諾を得て行う「3社間ファクタリング」では、売掛先自身が債権譲渡の事実を認識しているため、債権譲渡通知(内容証明郵便など)が対抗要件となります。
そのため、別途費用をかけて登記を行う必要は基本的にありません。

「登記留保」という選択肢

最近増えているのが、この「登記留保」という契約形態です。
これは、ファクタリング契約は結ぶものの、普段は登記をせず、万が一トラブルが発生した場合(利用者の返済が滞るなど)に限り、事後的に登記を行うというものです。

登記留保のメリット登記留保の注意点
✔ 登記費用がかからない‐ 登記必須の会社より手数料がやや高くなる傾向がある
✔ 情報開示のリスクを抑えられる‐ 契約書に「債務不履行の場合は登記を行う」旨の条項があるか確認が必要

「取引先に知られるリスクは避けたい」「登記費用を節約したい」という場合には、この登記留保に対応しているファクタリング会社を選ぶのが賢明な選択です。

【重要】個人事業主は債権譲渡登記ができない

これは非常に重要なポイントです。
債権譲渡登記は、法人のみが利用できる制度であり、個人事業主やフリーランスの方は利用することができません。

そのため、個人事業主の方が2社間ファクタリングを利用する場合は、必然的に「登記不要」のファクタリング会社を探すことになります。

よくある質問(FAQ)

Q: 債権譲渡登記は自分で行うことはできますか?

A: 理論上は可能ですが、おすすめしません。
手続きが非常に煩雑で、専門的な知識が求められます。書類に不備があれば何度もやり直しになり、かえって時間がかかってしまいます。時間と手間を考えれば、司法書士に依頼する方が結果的にコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。

Q: 登記をしたら、取引先にファクタリングの利用が必ずバレますか?

A: 必ずバレるわけではありません。
取引先があなたの会社の登記情報をわざわざ法務局で調べない限り、知られる可能性は低いです。しかし、先述の通り、金融機関が与信調査で確認する可能性はありますので、リスクがゼロではないと認識しておくことが重要です。

Q: 登記にかかる費用は、ファクタリングの手数料に含まれていますか?

A: 通常は含まれていません。
ファクタリング会社に支払う手数料とは別に、登録免許税や司法書士報酬として「実費」を請求されるケースがほとんどです。契約前に、見積書などで費用の内訳を必ず確認しましょう。

Q: 登記不要のファクタリング会社は信頼できますか?

A: 登記が不要だからといって、信頼できないわけではありません。
近年は利用者のニーズに応え、登記留保で柔軟に対応してくれる優良なファクタリング会社も増えています。

信頼できる会社か判断するには、①契約内容を事前に丁寧に説明してくれるか、②手数料や費用体系が明確か、③会社のウェブサイトに所在地や代表者名が明記されているか、といった基本的な点を確認することが大切です。

Q: ファクタリング完了後、登記情報は削除してもらえますか?

A: はい、債権の買い戻しや決済が完了したら「抹消登記」の手続きを行うのが一般的です。
これにより、登記簿上の記録を消すことができます。ただし、抹消登記にも別途費用(登録免許税1,000円+司法書士報酬)がかかる場合がありますので、契約時に抹消手続きについても確認しておきましょう。

まとめ

本記事では、ファクタリング契約における債権譲渡登記について、その役割から手続き、費用、メリット・デメリットまでを網羅的に解説しました。

最後に、重要なポイントを振り返りましょう。

  • 債権譲渡登記は、ファクタリング会社がリスクを回避するための公的な証明制度。
  • 費用は総額5万~11万円程度かかり、多くは利用者が負担する。
  • メリットは審査に通りやすくなること、デメリットは費用負担と情報開示リスク。
  • リスクを避けたいなら「登記留保」という選択肢がある。
  • 個人事業主は登記ができないため、登記不要の会社を選ぶ必要がある。
山田 麻里

私がコンサルタントとして多くの経営者様にお伝えしてきたのは、「登記の必要性を正しく理解し、自社の状況に合った選択をすること」の重要性です。

登記は決して怖いものではありません。
しかし、費用やリスクが伴うことも事実です。登記が必要なケース、不要なケース、そして登記留保という選択肢があることを知り、契約内容をしっかりと確認した上で、あなたの会社にとって最適な資金調達を実現してください。

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この記事を書いた人

金融コンサルタントとしての経験を武器に、中小企業の資金調達や資金繰り改善に関する実践的な知識を発信する山田麻里。彼女のライティングは、難解な金融の専門知識をビジネスオーナーが実際に活用できる形で伝える力強さが特徴だ。「ファクタリングマガジン」では、資金調達の現場で培った経験と洞察を余すところなく読者に届けている。

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