MENU

訪問介護、焼肉店、スイーツ店の倒産が過去最多になった理由と業種別対策

2025年、私たちの身近なビジネスである訪問介護、焼肉店、スイーツ店で倒産件数が過去最多を記録しました。

本記事では、元銀行員・経営コンサルタントとして数多くの中小企業の栄枯盛衰を見てきた佐藤真由美が、なぜ今これらの業界で倒産が急増しているのか、その構造的な理由を「具体的な数字」を交えて徹底解説します。

さらに、この厳しい時代を乗り越えるための「実践的な資金繰り改善策」や「今すぐ使える補助金制度」まで、業種別に具体的な対策を提言します。
あなたのビジネスを守るためのヒントがここにあります。

【この記事の結論】倒産急増の3つの理由と業種別対策

読者の疑問・知りたいことその答え・結論
なぜ3業種の倒産が過去最多なの?物価高・人件費高騰」「ゼロゼロ融資の返済」「深刻な人手不足」の3つの要因が重なっているためです。
【訪問介護】の対策は?「補助金の徹底活用」「加算取得による単価アップ」で収益性を改善し、「地域連携」で人手不足を補います。
【焼肉店】の対策は?「FLコスト管理の徹底」で利益を確保し、付加価値の高いメニュー開発で「価格競争からの脱却」を目指します。
【スイーツ店】の対策は?コンセプトを絞った「一点突破のブランディング」と、オンライン販売など「多様な販売チャネルの確保」が鍵です。

🔄 明日の資金繰りを今日解決する最短ルート

┗ 最短3時間での資金調達を実現
┗ キャッシュフロー改善に特化した専門提案
┗ 経営危機を未然に防ぐ資金戦略サポート

【売掛金を即現金化】ファクタリングで資金繰りの不安を解消

🛡️この記事の監修者(運営会社・税理士による共同監修)

株式会社ウェブブランディング(運営会社)

資金繰り関連情報の総合的な監修を行い、正確で信頼性の高い情報提供を実現しています。

2025年倒産が過去最多になった3つの共通要因
目次

なぜ今?2025年に倒産が過去最多を記録した3つの共通要因

2025年度上半期(4月~9月)の全国企業倒産は5,146件にのぼり、年度上半期として12年ぶりに5,000件を超えました。
特に、私たちの生活に身近な業種で倒産の増加が顕著です。
なぜ今、これほどまでに多くの企業が苦境に立たされているのでしょうか。
そこには、業種を問わず中小企業を襲う、4つの構造的な要因が存在します。

1. 終わらない物価高と人件費上昇のダブルパンチ

まず深刻なのが、原材料費やエネルギー価格の高騰です。
円安の影響も重なり、特に輸入食材に頼る飲食店などでは仕入れコストが経営を直接圧迫しています。
帝国データバンクの調査によると、2025年1-11月の「物価高倒産」は累計879件に達し、特に飲食店や食料品関連の倒産が目立っています。

これに追い打ちをかけるのが、人件費の上昇です。
最低賃金の引き上げや、人材確保のための賃上げ競争により、コストは増加の一途をたどっています。
しかし、多くの中小企業では、これらのコスト上昇分を販売価格へ十分に転嫁できていないのが実情です。

価格を上げれば顧客が離れるかもしれないという恐怖から、利益を削って耐え忍んでいる事業者が少なくありません。
この「コスト増」と「価格転嫁難」のダブルパンチが、企業の体力を着実に奪っているのです。

2. 「金利のある世界」の到来とゼロゼロ融資返済の現実

長らく続いたゼロ金利政策が終わりを告げ、日本も「金利のある世界」へと突入しました。
これは、金融機関からの借入金利が上昇することを意味し、企業の資金繰りに直接的な影響を与えます。

参考: 日銀利上げ  「金利ある世界」新たな段階へ

特に深刻なのが、コロナ禍で多くの企業が利用した「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」の返済本格化です。
東京商工リサーチによると、ゼロゼロ融資利用後の倒産は2020年7月からの累計で2,000件に迫っています(2025年5月時点)。
据置期間が終了し、元金の返済が始まったことで、キャッシュフローが一気に悪化する企業が後を絶ちません。

「キャッシュは企業の血液」です。
売上があっても、手元の現金が尽きれば企業は倒産します。
ゼロゼロ融資で一時的に延命したものの、根本的な収益構造の改善が追いつかず、返済の負担に耐えきれなくなる「息切れ倒産」が急増しているのです。

3. 深刻化する人手不足と「賃上げ疲れ」

物価高や金利上昇と並んで、経営者を悩ませているのが深刻な人手不足です。
東京商工リサーチの調査では、2025年の「人手不足」に起因する倒産は過去最多の397件に達しました。
特に、サービス業や建設業といった労働集約型の産業でその影響は顕著です。

人手不足は、単に「働き手がいない」という問題に留まりません。
採用競争の激化は人件費の高騰を招き、既存従業員の離職を防ぐための賃上げも避けられません。
しかし、体力の乏しい中小企業にとって、度重なる賃上げは「賃上げ疲れ」とも言える状況を生み出しています。

佐藤 真由美

帝国データバンクの調査でも、2025年の人手不足倒産は3年連続で過去最多を更新しており、特に従業員10人未満の小規模企業が全体の約8割を占めるなど、その脆弱性が浮き彫りになっています。

【業種別】倒産の背景と明日からできる具体的な対策

共通の経営課題に加え、各業種は特有の問題にも直面しています。
ここでは、特に倒産が急増している3業種について、その背景と具体的な対策を解説します。

訪問介護:介護報酬マイナス改定を乗り越える「攻め」の経営戦略

2025年、訪問介護事業所の倒産は3年連続で過去最多を更新する見込みです。
東京商工リサーチによると、2025年上半期だけで45件に達し、年間100件を超えるペースで推移しています。
その最大の要因は、2024年度の介護報酬改定による基本報酬の引き下げです。
これにより事業所の約8割が「売上不振」に陥っており、ヘルパー不足も相まって経営環境は極めて厳しい状況です。

参考: 令和6年度介護報酬改定について|厚生労働省

補助金の徹底活用

業務効率化や人材育成に活用できる補助金は数多く存在します。
例えば、ICT導入による記録・請求業務の効率化や、介護ロボット導入による身体的負担の軽減など、投資対効果の高い分野に補助金を活用しましょう。

加算の取得による単価アップ

処遇改善加算はもちろんのこと、2024年度改定で新設された「口腔連携強化加算」など、取得可能な加算を漏れなく算定することが重要です。質の高いサービス提供体制を整え、単価向上を目指す「攻め」の姿勢が求められます。

地域連携によるタスクシェア

近隣の事業所や地域の社会福祉協議会、NPOなどと連携し、人材や情報を共有する「タスクシェア」も有効です。
例えば、研修の共同開催や、緊急時のヘルパー相互派遣など、地域全体で支え合う仕組みを構築することが、人材不足を乗り越える鍵となります。

焼肉店:原価高騰時代を生き抜く「FLコスト管理」と差別化

焼肉店もまた、倒産が過去最多ペースで推移している業種の一つです。
原因は、輸入牛肉や光熱費、人件費といったコストの急騰です。

特に輸入牛肉は円安の影響を直接受け、仕入れ価格が高騰。
一方で、大手チェーンとの競争激化により、安易な値上げは客離れに直結するため、多くの個人店が苦しんでいます。

FLコストの徹底管理

飲食店の生命線であるFLコスト(F=食材費、L=人件費)を売上の60%以内に抑えることが鉄則です。原価計算を徹底し、歩留まり改善やメニュー構成の見直しを行いましょう。

例えば、原価率の低いサイドメニューやドリンクの注文を促す工夫も有効です。

付加価値による差別化

価格競争から脱却し、「高くても行きたい店」を目指すブランディングが不可欠です。

  • 体験価値の向上: 「希少部位の食べ比べセット」「記念日サプライズ演出」など、食事以外の楽しさを提供する。
  • コンセプトの明確化: 「A5ランク黒毛和牛専門」「地産地消の新鮮ホルモン」など、他店にはない強みを打ち出す。
  • サイドメニューの強化: 原価を抑えつつ満足度を高められる「名物〆のラーメン」「自家製キムチ」などを開発する。

仕入れ先の多様化

一つの業者に依存せず、複数の仕入れルートを確保することで、価格交渉力を高め、リスクを分散させることができます。

スイーツ店:大手・コンビニとの競争に勝つための「一点突破」ブランディング

スイーツ業界は、シャトレーゼのような大手専門チェーンや、品質向上著しいコンビニスイーツとの競争が激化しています。
物価高による原材料費の上昇も重なり、個人経営のパティスリーは厳しい状況に置かれています。

ターゲットを絞った「一点突破」戦略

あらゆる顧客を狙うのではなく、特定のニーズに特化することが生き残りの鍵です。

  • 商品特化: 「カヌレ専門店」「グルテンフリー専門」など、看板商品を絞り込む。
  • コンセプト特化: 「アレルギー対応」「オーガニック素材使用」「地元の果物だけを使ったスイーツ」など、独自の価値観を打ち出す。

SNSによる世界観の構築

InstagramやTikTokを活用し、商品の魅力だけでなく、作り手のこだわりや店の世界観を伝えることでファンを育成します。美しい写真や動画は、来店動機に直結します。

多様な販売チャネルの確保

店頭販売だけでなく、オンラインショップでの全国発送、冷凍スイーツの自動販売機設置、地元のカフェやレストランへの卸販売など、複数の収益の柱を構築しましょう。

あなたの会社を守る!今すぐ確認すべき資金繰り改善チェックリスト

厳しい経営環境を乗り切るために最も重要なのが「資金繰り」です。
いざという時に会社を守るため、以下の3つの制度が活用できているか、今すぐ確認してください。

1. 経営セーフティ共済(倒産防止共済)には加入しているか?

経営セーフティ共済は、取引先が倒産した際に、積み立てた掛金の最大10倍(上限8,000万円)まで無担保・無保証人で融資を受けられる制度です。
これは、連鎖倒産を防ぐための「命綱」と言えます。

元銀行員からの視点
融資審査の現場では、取引先の倒産という不測の事態で資金繰りが急激に悪化する企業を数多く見てきました。この共済に加入しているかどうかは、リスク管理意識の高さを示す指標にもなります。掛金は全額損金または必要経費に算入できるため、節税とリスク対策を両立できる非常に有効な制度です。

まだ加入していない場合は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)のウェブサイトを確認し、すぐに検討してください。

2. 「小規模事業者持続化補助金」など、返済不要の資金を活用できているか?

国や自治体は、中小企業の経営を支援するため、返済不要の補助金や助成金を数多く用意しています。
中でも「小規模事業者持続化補助金」は、販路開拓や生産性向上のための取り組みを支援する、非常に使い勝手の良い制度です。

【補助対象経費の例】

  • 新商品を宣伝するためのチラシ作成、Webサイト制作
  • 新たな客層を呼び込むための店舗改装
  • 業務効率を上げるための会計ソフト導入

【採択されやすい申請書のポイント】

  • 自社の強みと弱みを明確にする: 現状分析がしっかりできているか。
  • 補助事業の具体性と実現可能性: 誰に、何を、どのように提供するのかが明確か。
  • 補助事業の効果: 売上や利益がどう向上するのか、具体的な数値目標を示す。
佐藤 真由美

申請手続きが難しいと感じる場合は、地域の商工会や商工会議所が無料で相談に乗ってくれます。 専門家のサポートを受けながら、積極的に活用しましょう。

3. 金融機関との関係は良好か?「コロナ借換保証」は検討したか?

金融機関は、単にお金を貸すだけの存在ではありません。
平時から自社の経営状況を正直に伝え、良好な関係を築いておくことで、いざという時に最大の味方になってくれます。

ゼロゼロ融資の返済が厳しい場合は、絶対に延滞する前に金融機関に相談してください。
返済計画の見直し(リスケジュール)に応じてもらえる可能性があります。
その際に有効なのが「コロナ借換保証制度」です。
これは、ゼロゼロ融資を新たな保証付き融資に借り換えることで、月々の返済負担を軽減する制度です。
借り換えには経営行動計画書の提出などが必要になりますが、金融機関の伴走支援を受けながら経営改善に取り組む良い機会にもなります。

※こちらの制度は2026年1月現在、終了しております。ただし、令和6年能登半島地震による災害に関し、災害救助法の適用を受け、かつ中小企業信用保険法第2条第5項第4号の規定により経済産業大臣の指定を受けた石川県の地域内に事業所を有する事業者について、取扱期間を2026年3月31日まで(予定)延長しているようです。

参考: 民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度(コロナ借換保証)を開始します。

よくある質問(FAQ)

Q: 物価高騰が続いていますが、どのタイミングで価格転嫁すべきですか?

A: 一斉値上げは客離れのリスクがあります。
まずは、原価率の高い特定の商品や、付加価値を伝えやすい新商品から段階的に価格を改定しましょう。
値上げの際は、SNSや店頭POPで品質へのこだわりや背景を丁寧に説明し、顧客の理解を得ることが重要です。
私の経験上、正直なコミュニケーションがファンを繋ぎ止めます。

Q: 人手不足で採用コストばかりかかっています。どうすれば良いですか?

A: 新規採用だけに頼らず、今いる従業員の定着率を高める施策が急務です。
賃金だけでなく、働きやすいシフト制度の導入や、業務の効率化による負担軽減が効果的です。
また、訪問介護では地域のボランティアとの連携、飲食店ではセルフレジの導入など、業種に合わせた省人化投資も検討しましょう。

Q: 補助金を申請したいのですが、手続きが難しそうで躊躇しています。

A: 確かに申請には手間がかかりますが、返済不要の資金は経営改善の大きなチャンスです。
多くの補助金では、商工会議所や中小企業診断士が無料相談や申請サポートを行っています。
まずは一度、お近くの相談窓口に問い合わせてみましょう。
私も地域の商工会と連携し、多くの事業者を支援してきました。

Q: ゼロゼロ融資の返済が始まり、資金繰りが苦しいです。銀行に相談すべきでしょうか?

A: はい、手遅れになる前に必ず相談してください。
返済が一度でも滞ると、その後の交渉が非常に難しくなります。
事前に資金繰り表を作成し、具体的な経営改善計画と共に「返済計画の見直し(リスケジュール)」を相談することで、銀行も支援の道を探りやすくなります。
誠実な対応が信頼に繋がります。

Q: 自分の事業は将来性があるのか不安です。

A: 外部環境が厳しい時こそ、自社の「強み」を再定義するチャンスです。
今回紹介した業種別の対策を参考に、他社にはない独自の価値は何か、顧客は誰なのかを徹底的に考えてみてください。
必要であれば、私のような外部の専門家に相談し、客観的な視点を取り入れることも有効です。

まとめ

本記事では、2025年に過去最多となった3業種の倒産理由と、具体的な対策を解説しました。
物価高、金利上昇、人手不足という荒波は、すべての企業に「変化」を求めています。

重要なのは、自社の置かれた状況を正確に把握し、今できることから迅速に行動することです。
特に「キャッシュ(現金)」は企業の生命線。
資金繰り対策は後回しにせず、今日から着手してください。

元銀行員として、そして今も現場で中小企業を支援する専門家として、私はあなたのビジネスがこの困難を乗り越えられると信じています。
まずはチェックリストの実行から始めてみましょう。

🔄 明日の資金繰りを今日解決する最短ルート

┗ 最短3時間での資金調達を実現
┗ キャッシュフロー改善に特化した専門提案
┗ 経営危機を未然に防ぐ資金戦略サポート

【売掛金を即現金化】ファクタリングで資金繰りの不安を解消

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

はじめまして。「資金繰りベスト」ライターの佐藤真由美と申します。埼玉県さいたま市在住の45歳、中小企業の資金繰りと経営管理を専門とするファイナンシャルアドバイザー兼ライターです。

目次