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「売上が伸びても利益が出ない」その原因と対策!中小企業の収益構造改善法

「売上が伸びても利益が出ない…なぜ月末になると資金繰りが苦しいんだろう?」と悩んでいませんか?

佐藤 真由美

元銀行員で経営コンサルタントの佐藤真由美です。私は10年間、中小企業の融資審査を担当し、利益が出ない企業には驚くほど共通した「落とし穴」があることを発見しました。

この記事では、売上が伸びても利益が出ない3つの根本原因と、明日から実践できる具体的な収益構造改善法をお伝えします。最後まで読めば、あなたの会社を蝕む問題の正体が分かり、利益体質への転換を実現できるようになります。

結論から言うと、利益が出ない原因は「損益分岐点の未把握」「安売り体質」「非効率な事業構成」の3つです。元銀行員の視点から、この「利益なき繁忙」から抜け出すための処方箋を徹底解説します。

さあ、一緒にあなたの会社の未来を変える第一歩を踏み出しましょう。

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目次

なぜ売上は伸びるのに利益は出ないのか?元銀行員が語る3つの構造的問題

「こんなに忙しく働いているのに、なぜ手元にお金が残らないんだ…」

銀行員時代、私はそんな経営者の悲痛な声を何度も耳にしてきました。
決算書の上では立派な売上高が計上されている。
しかし、その数字とは裏腹に、社長の顔色は青ざめているのです。

この「利益なき繁忙」という病。
その原因は、突き詰めると以下の3つの構造的問題に行き着きます。

売上は伸びても利益が出ない3つの構造的問題

損益分岐点を把握していない「どんぶり勘定」

あなたの会社は、あといくら売上があれば利益が出るのか、即答できますか?

この利益と損失の境目となる売上高を「損益分岐点」と呼びます。
多くの経営者が、この自社の「運命の分岐点」を驚くほど把握していません。

それは、ゴールの見えないマラソンを、ただ闇雲に走り続けているようなものです。
心臓が張り裂けそうになるまで走っても、ゴールテープがどこにあるか分からなければ、気力も体力も尽きてしまいます。

   ↑ コスト・売上
   │
   │         / 売上高
   │       /
   │     ★【損益分岐点】(ここで利益と損失が交差する!)
   │   / |
   │ /     損失
   │/───────── 固定費
   └─────────────────→ 売上数量

融資審査の現場では、経営者に「あなたの会社の損益分岐点は?」と質問するのが常でした。
このシンプルな問いに答えられない経営者の会社の稟議書は、残念ながら、インクが乾く間もなく却下されていました。
なぜなら、自社のコスト構造を理解していない経営者に、銀行は大切なお金を託すことができないからです。

価格設定が甘い「安売り体質」

「競合より少しでも安くしなければ、お客様は買ってくれない」

その思い込みが、あなたの会社の利益を静かに圧迫しています。
安易な価格設定は、自社の技術やサービスの価値を、自ら貶めているのと同じです。
もっと言えば、それは社員の努力の結晶である製品を、自社の「血液」であるキャッシュを、不当に安売りしていることに他なりません。

私がコンサルティングで支援した、ある製造業のA社長。
彼は長年、競合の価格を常に意識し、ギリギリの価格設定を続けていました。
しかし、原材料費の高騰が彼の会社を崖っぷちまで追い込みます。

「佐藤さん、もうダメかもしれない…」

震える声で相談に来た彼と一緒に、私たちは原価計算を徹底的に見直しました。
そして、製品が持つ独自の価値(品質、納期、サポート体制)を顧客に丁寧に説明し、勇気を持って値上げ交渉に臨んだのです。

結果、数社は離れましたが、9割以上の顧客が新しい価格を受け入れてくれました。
「Aさんの会社の製品じゃなきゃダメなんだよ」と。
A社長の震える声が、やがて自信に満ちた声に変わるまで、私は隣で伴走しました。
価格とは、単なる数字ではなく、自社のプライドそのものなのです。

利益率の低い商品・サービスばかり売れている「非効率な事業構成」

あなたの会社で、一番の「売れ筋商品」は何ですか?
では、質問を変えます。
あなたの会社で、一番の「儲かる商品」は何ですか?

佐藤 真由美

この二つが一致していないケースは、危険信号です。
たくさん売れている商品が、実はほとんど利益を生んでいない「お荷物社員」だった、という悲劇は頻繁に起こります。

どの商品が本当に利益に貢献しているのかを見極めるために、私たちは「ABC分析」という手法を使います。
これは、商品を利益貢献度順に並べ、A(超重要)、B(普通)、C(貢献度低い)のランクに分ける、いわば社内の「貢献度ランキング」を作成するようなものです。

銀行の融資審査でも、私たちは必ず事業のポートフォリオを確認します。

「この会社の『エースで4番バッター』(高利益率商品)は誰なのか?」
「ベンチを温めているだけ(低利益率)の選手はいないか?」

その視点で、事業の将来性を見極めるのです。

【実践編】あなたの会社はどのタイプ?財務改善のプロが教える原因特定診断

さて、あなたの会社を蝕む病の正体が見えてきたでしょうか。
ここからは、より具体的に、あなたの会社がどのタイプに当てはまるのかを診断していきます。

さあ、電卓と直近の決算書をお手元にご用意ください。
これから、私と一緒にあなたの会社の「健康診断」を始めましょう。

3つの指標でわかる!決算書から読み解く収益構造チェック

難しい会計知識は必要ありません。
会社の健康状態を示す「3つのバイタルサイン」に絞ってチェックします。

1. 売上高総利益率(粗利率):稼ぐ力の基礎体力

  • 計算式: 売上総利益 ÷ 売上高 × 100
  • 見方: 商品やサービスの基本的な収益力を示します。この数値が低い場合、「安売り体質」の可能性があります。業界平均と比較してみましょう。

2. 売上高営業利益率:本業で儲ける力

  • 計算式: 営業利益 ÷ 売上高 × 100
  • 見方: 粗利から、人件費や家賃などの販管費を差し引いた、本業での利益率です。この数値が低い場合、コスト構造に問題がある「どんぶり勘定」の疑いがあります。

3. 損益分岐点比率:倒産への抵抗力

  • 計算式: 損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 × 100
  • 見方: この数値が低いほど、経営に余裕があることを示します(80%以下が理想)。100%に近い、あるいは超えている場合、赤字転落のリスクが非常に高い状態です。

会社の健康状態を映し出す「3つの数字」の読み解き方

「決算書なんて、数字の羅列で見る気にもならない…」

そう感じるお気持ちは、痛いほどよく分かります。
ですが、ご安心ください。

佐藤 真由美

これから行うのは、難しい会計分析ではありません。
あなたの会社の「健康診断」です。

お手元に直近の決算書と、一本のペンをご用意ください。
これから私が申し上げる3つの数字を、ただ書き出すだけでいいのです。
それは、あなたの会社の今の健康状態を映し出す、最も重要な「カルテ」になります。

  1. 売上高(会社の規模や活気)
  2. 売上総利益(粗利。稼ぐ力の源泉)
  3. 営業利益(本業で生み出した最終的な儲け)

この3つの数字の関係性を見るだけで、あなたの会社が「安売り体質」なのか、それとも「コストをかけすぎ」なのか、その輪郭が驚くほど鮮明に浮かび上がってきます。

さあ、準備はよろしいでしょうか。
この数字たちが、次の一手を指し示す羅針盤になるのです。

原因別!明日からできる収益構造改善の具体的なアクションプラン

診断結果はいかがでしたか?
自社の弱点が見えてきたでしょうか。

どのタイプであっても、必ず打つ手はあります。
ここからは、診断結果に基づいた具体的な処方箋を提示します。

【コスト構造の改善】聖域なき固定費・変動費の見直し術

これは、「どんぶり勘定」タイプに最も効果的な処方箋です。
会社の贅肉をそぎ落とし、筋肉質な体質へと変えるトレーニングだと考えてください。

固定費の見直し(効果大!)

聖域はありません。毎月必ず出ていく固定費の削減は、そのまま利益に直結します。

  • 事務所家賃: 本当にその広さが必要ですか?移転やオーナーとの交渉も視野に。
  • 通信費・光熱費: 契約プランは最適ですか?複数社から見積もりを取りましょう。
  • 保険料: 不要な保障はありませんか?専門家による見直しを。
  • サブスクリプション: 使っていないツールにお金を払い続けていませんか?

変動費の見直し(地道な努力が実を結ぶ)

仕入れや外注費など、売上に連動する費用です。

  • 相見積もりの徹底: 常に複数の業者を比較検討する習慣を。
  • 発注ロットの見直し: 過剰在庫はキャッシュを眠らせる元凶です。
  • アウトソーシングの活用: 自社で抱えるより、専門家に任せた方が安く済む業務はありませんか?

【価格戦略の見直し】「価値」を伝え、適正価格を実現する交渉術

「安売り体質」から脱却するための処方箋です。
これは単なる値上げではありません。
自社の製品・サービスの「価値」を顧客に正しく伝え、納得していただくための戦略です。

  • 価値の言語化: あなたの製品は、顧客のどんな問題を解決しますか?品質、納期、サポート体制など、価格以外の強みを明確に言葉にしましょう。
  • データに基づく交渉: 「原材料がこれだけ上がっているので…」と、具体的なデータを示して説明責任を果たすことが信頼に繋がります。
  • 松竹梅の価格設定: 顧客が選びやすいよう、複数の価格帯のプランを用意するのも有効な戦略です。

【事業ポートフォリオの最適化】「儲かる事業」に集中するための選択と集中

「非効率な事業構成」に陥っている会社への、外科手術的な処方箋です。
手塩にかけて育てた事業を手放すのは、経営者にとって断腸の思いでしょう。
しかし、その決断が会社全体を救うこともあるのです。

  • ABC分析の実行: まずは「儲かる商品」「儲からない商品」を冷徹に仕分けします。
  • 不採算事業からの撤退: Cランク(貢献度が低い)の事業や商品については、縮小や撤退を検討します。
  • 高利益率事業へのリソース集中: Aランク(超重要)の事業に、人・モノ・カネといった経営資源を集中投下し、さらなる成長を目指します。

私が支援したある企業は、長年続けてきた赤字の店舗事業から勇気をもって撤退し、利益率の高いネット通販事業に集中しました。
その結果、わずか1年でV字回復を遂げたのです。

利益改善とセットで考えるべき「資金繰り」の重要性

ここまで利益構造の改善についてお話ししてきましたが、最後に、私の専門分野である「資金繰り」について、どうしてもお伝えしたいことがあります。

利益とキャッシュは、全くの別物です。
そして、私の持論は「キャッシュは企業の血液」
いくら利益という筋肉があっても、血液が流れなければ、会社は一瞬で命を落とします。

なぜ黒字なのに倒産するのか?元銀行員が解説するキャッシュフローの罠

黒字倒産」という言葉を聞いたことがありますか?
損益計算書の上では黒字なのに、資金がショートして倒産してしまう、中小企業にとって最も恐ろしい罠です。

銀行員時代、私はその悲劇を何度も目の当たりにしました。
決算書は真っ黒なインクで印刷されているのに、社長の顔は真っ青でした。
原因は、売掛金の回収が遅れていたり、売れない在庫を大量に抱えていたり…
帳簿上は資産でも、それらはすぐにお金に変わらないのです。

通帳の残高だけが、冷徹な真実を語ります。
損益計算書の黒いインクは、時に経営者の目を眩ませる、残酷な幻なのです。

銀行は「利益」と「キャッシュ」のどちらを見ているのか?

融資審査の際、私たちが本当に知りたいのは何だと思いますか?
それは、「この会社は、貸したお金をきちんと返してくれる体力があるか?」という一点です。

そして、その体力を測る上で、利益額と同じくらい…いえ、それ以上に重視するのが「キャッシュフロー」です。
つまり、実際にどれだけのお金が会社に入ってきて、出ていっているのか。

佐藤 真由美

私たちは、損益計算書の利益額という「化粧」よりも、キャッシュフロー計算書や資金繰り表に示される「すっぴん」の美しさを評価します。
銀行と良好な関係を築きたいなら、ぜひ自社の「お金の流れ」を説明できる経営者になってください。

よくある質問(FAQ)

Q: 値上げをすると、顧客が離れてしまうのではないかと不安です。

A: 価格転嫁を成功させるには、タイミングと伝え方が重要です。品質向上やサービス拡充など、顧客にとってのメリットとセットで提案することが基本です。

私がコンサルティングした例では、事前に丁寧な説明を行うことで、9割以上の顧客に納得いただけたケースもあります。まずは一部の製品や優良顧客からテスト的に始めるのも有効です。

Q: コスト削減をしたいのですが、どこから手をつければ良いかわかりません。

A: まずは金額が大きく、かつ削減しても事業への影響が少ない「固定費」から着手するのがセオリーです。具体的には、事務所の家賃、通信費、保険料、不要なサブスクリプションサービスなどです。

変動費では、複数の業者から相見積もりを取る、発注ロットを見直すといった地道な改善が効果的です。

Q: 「どんぶり勘定」から抜け出すための第一歩は何ですか?

A: まずは、毎月の試算表を翌月中には必ず作成し、経営者自身が内容を確認する習慣をつけることです。クラウド会計ソフトを導入すれば、専門家でなくても簡単に行えます。

そして、売上、変動費、固定費、利益がいくらだったのかを把握するだけでも大きな進歩です。数字を見ることで、初めて具体的な改善策が見えてきます。

Q: 利益は出ているはずなのに、なぜか手元にお金が残りません。

A: それは典型的な「黒字倒産」の危険信号です。原因として、売掛金の回収が遅れている、在庫を抱えすぎている、借入金の返済額が大きい、などが考えられます。損益計算書だけでなく、資金繰り表やキャッシュフロー計算書を作成し、お金の流れを正確に把握することが急務です。

Q: 収益構造について、銀行に相談しても良いのでしょうか?

A: ぜひ相談すべきです。特にメインバンクには、状況が悪化する前に相談することが重要です。銀行は融資先の経営が安定することを望んでいます。

具体的な改善計画を示しながら相談すれば、返済スケジュールの見直し(リスケ)や追加融資など、親身に対応してくれる可能性があります。私が銀行員だった頃も、早めに相談に来てくれる経営者は信頼できました。

まとめ

「売上が伸びても利益が出ない」
この問題は、決して放置してはならない、経営の危険信号です。

しかし、それは同時に、あなたの会社が「儲かる体質」へと生まれ変わるための、大きなチャンスでもあります。

本記事では、その原因が「コスト構造」「価格設定」「事業構成」のいずれかにあることを解説し、具体的な診断方法と改善策を提示しました。

佐藤 真由美

重要なのは、自社の数字から目をそらさず、問題の根本原因にアプローチすることです。
あなたの会社の未来は、決算書の数字の中に眠っている宝の地図を読み解くことから始まります。

そして、利益改善と「資金繰り」は常に一体で考えてください。
企業の隅々まで力強い血液(キャッシュ)が巡ってこそ、会社は真に健康になれるのです。

この記事が、あなたの会社の未来を明るく照らす一助となれば、これに勝る喜びはありません。
まずは、ほこりをかぶった決算書を手に取り、収益構造のチェックから始めてみましょう。

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この記事を書いた人

はじめまして。「資金繰りベスト」ライターの佐藤真由美と申します。埼玉県さいたま市在住の45歳、中小企業の資金繰りと経営管理を専門とするファイナンシャルアドバイザー兼ライターです。

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