こんにちは、「ファクタリングマガジン」の山田麻里です。
金融コンサルタントとして500社以上の中小企業様をご支援する中で、こんな声を何度も耳にしてきました。
「サプライヤーに支払いを待ってもらうのは申し訳ない。でも、自社のキャッシュフローも厳しい…」
そのお気持ち、痛いほどわかります。
結論から申し上げます。リバースファクタリングと通常のファクタリングの最大の違いは「誰が主導するか」です。

リバースファクタリングは発注企業が主導してサプライヤーの資金繰りを改善しながら、自社の支払いを先延ばしにできる仕組み。通常のファクタリングは受注企業が主導して売掛金を早期現金化する仕組みです。
この記事を読み終える頃には、あなたは以下のことができるようになっています。
- 両者の5つの違いが誰にでも説明できる
- 発注企業として知るべき5つのポイントを理解し、導入判断ができる
- 自社の状況に合わせた最適な使い分け方法がわかる
専門用語も、私があなたの会社の経理担当になったつもりで、一つひとつ丁寧に解説します。さあ、一緒に未来を照らす知識を身につけましょう。


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【結論】一目でわかる!リバースファクタリングとファクタリングの最大の違い
まず、最も重要な結論からお伝えします。
両者の違いは「誰が、何のために使うか」です。言葉が似ているだけで、仕組みも目的も全くの別物と考えてください。
比較表:リバースファクタリング vs 通常のファクタリング
比較項目 | リバースファクタリング | 通常のファクタリング |
---|---|---|
利用する企業 | 発注企業(買手・債務者) | 受注企業(売手・債権者) |
目的 | 買掛金の支払いサイト延長、サプライヤー支援 | 売掛金の早期資金化 |
対象 | 買掛金(これから支払うお金) | 売掛金(これから受け取るお金) |
審査対象 | 発注企業(自社)の信用力 | 受注企業とその売掛先の信用力 |
手数料負担 | 多くの場合、受注企業(サプライヤー) | 受注企業(利用者) |
必要な同意 | 受注企業の同意が必須 | 2社間なら不要、3社間なら必要 |
一言でいうと、リバースファクタリングは「支払いを待ってもらう」ための仕組み、通常のファクタリングは「前払いをしてもらう」ための仕組みです。
リバースファクタリングとは?発注企業が主導する新しい金融スキーム
リバースファクタリングは、貴社(発注企業)が主導して、サプライヤーへの支払いをファクタリング会社に一時的に立て替えてもらう金融サービスです。
言葉だけだと少し難しいので、下の図を見てみましょう。
仕組みの解説:三者の関係性
【リバースファクタリングの仕組み】
(登場人物)
・貴社(発注企業)
・サプライヤー
・ファクタリング会社
(流れ)
1.[貴社] ←---②請求--- [サプライヤー]
(①取引成立後)
2.[貴社] --③依頼--> [ファクタリング会社]
|
|④審査(対象:貴社)
↓
⑤立替払い
↓
[サプライヤー]
★早期に現金化!
3.[貴社] --⑥支払い--> [ファクタリング会社]
(本来の期日に)
★支払いを先延ばし!
【図の解説】
- 貴社は、サプライヤーと通常通り取引します。
- サプライヤーは、商品を納品し、請求書を発行します。
- ここがポイントです。貴社は、ファクタリング会社に「この支払いを立て替えてください」と依頼します。
- ファクタリング会社は、貴社の支払い能力(信用力)を審査します。
- 審査通過後、ファクタリング会社はサプライヤーに代金を支払います。これにより、サプライヤーは請求書を即日〜数日で現金化できます。
- 貴社は、本来の支払期日に、ファクタリング会社へ支払いを行います。
この仕組みにより、サプライヤーは資金繰りが楽になり、貴社は実際の支払いを先延ばしにできる、Win-Winの関係が生まれるのです。
これは「サプライチェーンファイナンス」という、取引全体を円滑にするための金融手法の一つとしても知られています。
なぜ「リバース(逆)」なのか?
通常のファクタリングは、お金を受け取る権利を持つ受注企業(売手)が「この売掛金を買い取ってください」と依頼することから始まります。
一方、リバースファクタリングは、お金を支払う義務を持つ発注企業(買手)が「この買掛金の支払いを立て替えてください」と依頼することから始まります。
主体が「逆」なので、「リバース」と呼ばれているのです。
発注企業が知るべきリバースファクタリングの5つのポイント
私がコンサルティングを行う際、必ずお伝えする重要なメリットと、知っておくべき注意点を5つに絞って解説します。
ポイント1【メリット】:サプライヤー支援と関係強化
リバースファクタリングは、貴社にとって最も重要な資産の一つである「優良なサプライヤーとの信頼関係」を、お金の面から強力にサポートするツールです。
サプライヤーは、貴社との取引で発生した売掛金を、通常のファクタリングよりも低い手数料で、かつ迅速に現金化できます。なぜなら、ファクタリング会社のリスクは「貴社の支払い能力」にかかっており、個々のサプライヤーの信用力に左右されないからです。
私がコンサルした製造業のA社では、ある重要な部品を供給してくれるB社の資金繰りが悪化し、納期遅延が頻発していました。そこでA社が主導してリバースファクタリングを導入。B社は即座に資金繰りが安定し、部品の安定供給が再開。結果として、両社の絆は以前よりも格段に深まりました。
これは、単なるコスト削減ではなく、事業の根幹を支える「未来への投資」なのです。
ポイント2【メリット】:支払いサイトの最適化とキャッシュフロー改善
これが発注企業にとって最も直接的なメリットかもしれません。
ファクタリング会社が支払いを立て替えてくれるため、貴社は実質的な支払いサイトを延長できます。
【具体例でシミュレーション】
- 毎月300万円を月末締・翌月末払いで仕入れている
- リバースファクタリングで、実際の支払いを30日延長できた場合…
常に手元に300万円のキャッシュが残ることになります。
この300万円があれば、急な受注に対応するための先行投資や、人材採用など、新たな成長のチャンスを掴むことができます。
ポイント3【メリット】:支払い業務の効率化とコスト削減
複数のサプライヤーへの支払いを、ファクタリング会社への支払いに一本化できる場合があります。
これにより、一社ごとに発生していた振込手数料や、経理担当者の管理工数といった「見えないコスト」を削減できる可能性があります。
特に取引先の数が多い企業ほど、その効果は大きくなるでしょう。
ポイント4【デメリット】:導入には「でんさい」の利用が必須な場合が多い
ここからは注意点です。
リバースファクタリングの多くは「でんさい(電子記録債権)」という仕組みを利用します。
【山田の翻訳】でんさいとは?
簡単に言うと「電子化された手形」です。
これまで紙でやり取りしていた手形や振込の代わりに、インターネット上で安全・確実に支払いができる国の仕組みです。2026年末には紙の手形が廃止される流れもあり、導入は時代の要請とも言えます。



導入には、貴社とサプライヤーの双方がでんさいネットに加入し、システムを利用できる環境を整える必要があります。これには一定の手間と時間がかかることを覚えておきましょう。
でんさいについては「ファクタリングとでんさいの違い」の記事で詳しく紹介してます。
ポイント5【デメリット】:自社の信用力が審査対象になる
支払いを最終的に保証するのは貴社(発注企業)です。
そのため、審査の対象はサプライヤーではなく、貴社の経営状況や財務内容、信用力となります。
設立間もない企業や、赤字が続いている、あるいは税金の滞納があるといった場合は、審査が厳しくなる、あるいは利用できない可能性があります。
【実践編】発注企業はリバースファクタリングとファクタリングをどう使い分けるべきか
では、具体的にどのような状況で、どちらを検討すべきなのでしょうか。2つのシナリオで考えてみましょう。
シナリオ1:サプライチェーン全体の強化を目指すなら「リバースファクタリング」
- 特定の重要なサプライヤーの資金繰りを支援したい
- 下請法を遵守しつつ、支払いサイトを統一・最適化したい
- サプライヤーとの長期的な信頼関係を、より強固なものにしたい
- 自社の信用力には自信がある
このような場合は、リバースファクタリングが非常に有効な戦略となります。
これは、自社だけでなく取引先全体の経営を安定させ、共に成長していくための「チーム戦略」と言えるでしょう。
シナリオ2:自社の急な資金調達が必要なら「通常のファクタリング」
- 自社が急な大型案件を受注し、運転資金が不足している
- 金融機関からの融資を待っている時間がない
- 自社が「受注企業」として保有している売掛金がある
この場合は、話が逆になります。
貴社が「受注企業」の立場として、保有している売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらう「通常のファクタリング」が適しています。
自社がどちらの立場にいるのかを明確にすることが、正しい選択への第一歩です。
よくある質問(FAQ)
Q: リバースファクタリングの手数料は誰が負担するのですか?
A: 一般的には、売掛金を早期に現金化するメリットを受ける受注企業(サプライヤー)が負担するケースが多いです。ただし、通常のファクタリングより手数料率は低く設定される傾向にあります。契約内容は必ず事前に確認しましょう。
Q: 導入までどのくらいの期間がかかりますか?
A: でんさいの導入手続きや、サプライヤーへの説明・同意などが必要なため、通常のファクタリングより時間がかかる傾向にあります。関係者間の調整も含め、数週間から1ヶ月以上を見ておくと安心です。
Q: サプライヤー(受注企業)にデメリットはありますか?
A: 手数料を負担するため、受け取れる金額が額面より減る点がデメリットです。しかし、それを上回る「早期資金化」「貸し倒れリスクの回避」「低金利」といったメリットがあるため、多くのサプライヤーにとって有益な選択肢となります。
Q: 下請法に抵触する心配はありませんか?
A: むしろ、下請法を遵守するために活用される側面があります。下請法では納品から60日以内の支払いが定められていますが、リバースファクタリングを使えば、サプライヤーには早期に支払い(ファクタリング会社が立替)、自社の実際の支払いはそれ以降に設定することが可能になります。法律のルール内で、お互いの経営を安定させる知恵なのです。
Q: どんな企業でも導入できますか?
A: 発注企業側に安定した支払い能力(信用力)が求められるため、必ず審査があります。また、リバースファクタリングを取り扱っているファクタリング会社がまだ限られている点も考慮が必要です。
まとめ
本記事では、リバースファクタリングと通常のファクタリングの違い、そして発注企業が知るべき5つのポイントについて、私のコンサルタントとしての経験を交えながら解説しました。
最後に、要点を振り返ってみましょう。
- リバースファクタリングは「発注企業」が主導し、「支払いを延長」する仕組み
- 通常のファクタリングは「受注企業」が主導し、「売掛金を早期化」する仕組み
- 発注企業のメリットは「サプライヤー支援」「キャッシュフロー改善」「業務効率化」
- 注意点は「自社の信用力審査」と「でんさい導入の手間」
- サプライチェーン全体を強化したいならリバース、自社の急な資金調達なら通常ファクタリング
リバースファクタリングは、単に自社の資金繰りを楽にするだけの守りの一手ではありません。
大切なパートナーであるサプライヤーを支え、共に成長していくための「攻めの経営戦略」です。



導入には準備が必要ですが、それ以上に大きなリターンをもたらす可能性を秘めています。
この記事が、貴社にとって最適な一手を見つけるための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
もし、貴社が本気でサプライヤーとの関係を強化し、盤石な経営基盤を築きたいとお考えなら、一度専門のファクタリング会社に相談してみてはいかがでしょうか。
きっと、あなたの会社の未来を照らす、新たな道筋が見つかるはずです。


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